▼ 世界樹ユグドラシルによって、人間に『魔力』がもたらされた世界。▼ 純人族、魔族、妖精族、長耳族、龍人族、小人族……多くの種族が入り乱れ、争いの絶えなかった地を、一人の純人の英雄が平定した。英王歴の始まりさ。▼▼ さてさて、時はぐぐーんと進んで英王歴400年。そんな世界に、一つの異分子が紛れ込むことになる。▼▼ どこまでも他責志向で短期、自尊心が靴を履いて歩いているような男、村上太一。▼ そしてやはり、天狗の鼻は折られるもので、驕りが原因で学生時代に挫折。灰色の青春を送り、そのまま人生の階段を転げ落ちていった彼は、二十代半ばにして交通事故で死亡する。▼ だがしかし、なぜだか彼は『魔力』が存在する異世界に赤子として生まれ変わっていた。▼ 第二の人生を歩むことなった彼は幼少期に『魔術』と出会い、努力と工夫の末にその才能を開花させる。▼ そしてその成功を噛み締めた彼は誓う。今度こそ真剣に生きていこうと。▼▼ 英王歴400年代。▼ それは始まりこそ穏やかに見えたが、後に激動の時代として語られる。▼ 暦の元となった英雄王が遺した、莫大な力を生む遺産の争奪戦。▼ 各地に眠っていた厄災の魔物の覚醒。▼ そして……ユグドラシルの暴走による世界規模の大災害。▼ っと、いやいや済まない、少し冗長かも知れないがもう少し待ってくれたまえ。▼▼ ——コホン。これは、そんな激動の時代を生きた英雄達の中の一人、魔神と呼ばれた男の物語。▼ 前世じゃしょーもない小物だった彼が、その魔術の才能がために巻き込まれた修羅場、戦場を通して魔神へと至る道。▼ さて、真剣に生きることを誓った彼は人として成長出来たのだろうか、それとも——▼ ……いいや、これ以上はネタバレだね。あとは君達の目で見届けてくれたまえよ。
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