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作者: さや
残酷な描写あり R-15
なでなでは至福
めがさめた時、じぶんはしらないベッドでねていた。
のびをしてベッドからおりる。
 
まわりは白くてせいけつかんがあって、じぶんが前いたところとは雲泥の差だ。
ドアはあかない。そもそもドアノブがない。
ひっかいたり、ないたりしてもだれもこない。
 
なぜじぶんがここにいるのか、少しづつおもいだしてきた。
自分はたしかごはんがもらえなくなって、はいたものをたべてなんとかしのいでた。だけど限界がきて死にかけてたらだれがたすけにきてくれたんだ。
 
たしか、たすけにきてくれたのは………………
 
「………先輩、入りますよ」
 
ドアが開く。
…………あぁ、そうだ、思い出した。
さやかが、すくってくれたんだ。
 
さむくてさびしいなか、自分をだきしめてくれた。
すごく、暖かった。
すごく、安心できた。
 
自分はさやかのあしもとへ行き、すりすりとあまえる。
『また、抱きしめて欲しい』というのをつたえるためになく。
するとさやかはじぶんを抱き上げてベッドへこしかけた。
 
そして、やさしくじぶんをだきしめた。
やっぱりあったかくて安心する。
さやかの胸に顔をうずめて、体温を体全体でかんじる。
 
しばらくだきしめられていると、おもむろにさやかは頭を撫ではじめた。
ゆっくり、けれどこちらを労わるように撫でられる。
ときおり耳の後ろやつけねをよしよしされると、あまいこえをもらしてしまう。
さやかをみあげながら、無意識のうちになにかをもとめるようになく。
さやかはそれにこたえるようになでる。
 
あたまを手におしつけるようにして甘えていると、さやかはなにかをおもいだしたかのようになでるのをやめてなにかをとりだした。
 
てにもっていたのは注射器だった。
自分はびっくりしてからだをこわばらせる。けど、さやかはそんな自分のようすにきづいてあやすようにまた、あたまをなでた。
自分がおちついたのをみはからって、さやかは注射器をじぶんのくびにさす。
 
一瞬ちくっとしただけで、いたみはほとんどない。
なにか冷たいものが自分のなかにはいっていく。
注射器が首元からはなれる。
 
いきなり、脳がだんだんとけてくようなかんかくにおそわれた。
あたまのなかからじゅわっとしあわせがあふれていく。
からだのちからがぬけて、さやかにからだをゆだねる。
 
じゅわじゅわしあわせがもれていく。
なでなでがきもちいい。
のうがばたーのようにどろどろになっていく。
けれどこわくはない。さやかにだきしめられているから。
なんだかねむい。しあわせにあふれたまま、じぶんはめをとじた。
 
「………おやすみなさい、先輩」
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