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作者: さや
残酷な描写あり R-15
妊娠
私は捨てられた子猫のような目でみてくる先輩の誘惑を必死に振り払って医務室へと向かう。
ついに結果が出たようなのだ。
 
『少し検査したいことがあるの。結果によっては…………辛いことになるのかもしれない』
 
先輩が意識を失っている間、やっていたことは───────
 
─────妊娠検査
 
すなわち、あの施設の実験によって何か孕んでしまっていないかという検査である。
先輩を助けた時から違和感はあった。
不自然にお腹が膨らんでいるのだ。
 
運動不足で太った、と一瞬考えたが先輩はあの施設で『栄養失調』で死にかけるほどものを食べてはいなかった。
なのにあのお腹の膨らみ。
 
まさかとは思った。あまり考えたくない代物だった。
けれど、医務室の先生は私と同じことを考えたらしく
 
『この子の妊娠検査をしましょう。…………知るのは、早いうちのほうがいいわ。この子の為にも、ね』
 
そしてその結果が、多分返ってくる。
私は鉛のように思い医務室の扉をこじ開けた。
 
 
 
 
 
 
「結果は陽性──────とても残念なことに、ね」
 
私は、頭が真っ白になった。
 
「あの子自体はそもそも初潮が来てるかどうかも怪しいけど、問題はあの子についてる『淫紋』、けれどこれにも疑問がのこってるの」
 
「『淫紋』の侵食が進むと妊娠しやすくなるわ。性感によって排卵が促進されてしまうからね。けれど、それはあくまでも排卵、月経が始まってからなの。調べないと詳しいことは分からないけど、あの子は特に何も生理について聞かれたことがないから、多分初潮はまだの筈」
 
「なら、なぜ妊娠してしまったのか…………答えは単純、『何かによって無理矢理排卵させれてしまった』から。これに尽きるわ。一応血液検査で彼女に排卵剤などは打たれていないことは分かってる。ならば、彼女がいつ、何処で排卵させられてしまったか…………貴方、心当たりはない?」
 
先輩が、排卵させられた……………?
 
 
 
『うんうん、上手く排卵せてえらいわぁ。これで『魔獣』との交尾をつつがなくできるわね。さて、最後にこの子の記憶をすべて改ざんすれば終わり。今度はちゃんと壊れないように飼ってあげるから心配しないでねぇ』
 
 
 
あ。
あの、淫魔…………………
私の、先輩に…………………
 
「………ぁ、ぁぁぁぁぁああああああああッ!!!!!」
 
私が、弱かったから。
私が、淫魔の攻撃に気付かなかったから。
私が、淫魔の拘束を振り解かなかったから。
 
先輩が、先輩が……………
 
私の、せいで……………………
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