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作者: 鈴奈
Exspetioa2.9.31
 今日の休息の時間は、シスター・アザレアと「花の修道女たちを正すための規則」で取り締まる項目を考えました。服装、休息の時間の使い方、そしてエスについて――。次々と提示される項目に、私は、「あの、もう少し減らしませんか」と進言しました。皆さんは今、笑顔で過ごされています。ですが、規則に縛られることで、その幸せを奪ってしまうように思えたのです。私は、規則は、皆さんの日々を守るものであってほしいのです。皆さんの幸せを奪うものであってほしくはないのです。
 シスター・アザレアは表情を変えず、冷たいまなざしで私を射抜きました。

「あなたは、マザーに『神の花嫁』として指名されたことへの責任感がない。『神の花嫁』は、すべての花の修道女の代表、お手本なのよ。罪女ニゲラが解放されたことで、全体の風紀が激しく乱れている。これは、由々しきことよ。神の楽園を創るべき私たち花の修道女の心が神から大きく離れている。マザーから拝命した以上、私はあなたを『神の花嫁』にふさわしい心に正すよう努めるけれど、あなたが変わろうとしなければどうすることもできないわ。あなたは、あなたが犯したことを反省し、神のみを愛する心に正せるよう、十分に意識なさい」

 とても批判的で、けれども凛としていらっしゃる声に、私は委縮しました。シスター・アザレアのお姿は、頭のてっぺんから糸でピンと持ち上げられているかのようにまっすぐで、とても美しくいらっしゃいました。手の甲に咲く鮮やかな花も、いつもと同じく、姿勢よく咲いていらっしゃいました。
 ここ数日、シスター・アザレアとお話しさせていただく中で、私は、シスター・アザレアには、ご自身の信念があるのだと気が付きました。神様のために咲き、神様の楽園を皆でつくる、そのための環境を必ずつくるという信念が。
 信念を貫くこの強さこそ、シスター・アザレアの美しさそのものなのだと思います。
 以前、シスター・ルドベキアがおっしゃっていたことがしみじみとわかりました。シスター・アザレアは、素敵なお方です。私も、シスター・アザレアのように、信念を貫くことができる、美しい花で在りたいと思います。

 その後のマザーとの「神の学び」で、昨日からつくっていた、おそろいの指輪が完成しました。
 シスター・マネチアに型をつくっていただき、雑貨職人の方々に、樹脂の使い方を教えていただいたおかげです。明日、お礼に伺いたいと思います。
 ランプの光に透かして指輪を見ていたのですが、マザーが一生懸命に編み込んでくださったあおい茎の網目が、とてもかわいらしく思えました。明日から、「神の学び」でつけるのが楽しみです。
 明日からはどのようなことをするのか、相談するのも楽しみです。
 今日も楽しい一日となりました。神様に感謝。
 明日も素敵な一日となりますよう、お見守りください。
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