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作者: タアアタ
残酷な描写あり
第58話 撃退
「なにやら大変なことになってるみたいだな!」
「ここが第一線ってはなしですが、なんでしょうあの機械?」
「なにかおぞましいオーラを感じますね」
「はやいとこ陣地に通してもらおうぜ」
「そうよ! とおるわよ! ちょっと通してね!!」

「おっおい!アンタら!部外者は立ち入ることは許されない!」
「そんなことないわ、わたし達は」
剣豪、魔法使い、僧侶、盗賊、文士見習い
タメク!イセイ!シングレ!ダノマ!アヤト!

「だもの! ほらこの盾だって」
「何の役に立つんだそんなものが!! 士官殿ぉ!」
「クシ王国の悪竜を退治した? それだけの話か!! くだらん! 立ち去れ!」
「いいえ、私たちが倒したのは!」
「トンベンマガスガトリクト!!!さ、知ってるだろ、アンタも」
「なんだと!! 我々が今戦っているのもその名だ! 何故、名を知っている?!」
「おそらく、わたし達が倒したものの子供でしょう、なら戦えるかもしれない!」
「危険だ! 民間人をよこすことが出来るような状態ではない! 将軍!?」
「わたしがユジリア将軍だ、今の話は本当か!? してどうやって倒した!!」

「まずここに伝説の槍があります」
「伝説の槍を僧侶シングレが祝福します」
「剣豪タメクが伝説の槍を装備します」
「魔法使いイセイが魔法で悪竜を眠らせます」
「盗賊ダノマが悪竜の弱点を見極めます」
「そして伝説の槍を突き刺すと!」
「悪竜を倒すことができちゃった!!」

「ええい、そんなもの誰が信じるというのだ!もっとマシな嘘をつけ!!」
「嘘じゃないわ、本当の話よ」
「将軍、我々だって、あの悪竜を倒したことはあります、このものらの助けなど借りずとも、無事勝てます、勝てるでしょう!勝ってみせます!」
「だが待て、その伝説の槍というものがあればいいというならば、
 直接ではなく発射して倒すということも出来るのではないですか?」
「いいや直接でなく、空間転移で悪竜の心臓部に突き刺すというのはどうでしょうか?」
「貴様ら!話を進めている場合か!?」
「ですが、悪竜に、その槍が効くというのは嘘ではないかもしれません、
 現状の異世界魔導転生速射砲では足りない威力を補えるかもしれません」
「だが、根拠が足りておらん! もしも効かなかったらどうするというのだ!」

「だいじょうぶよ、私たちだけで今まで来れたのだから」
「ああ、そうさ、将軍さん、なんでも試してみることだぜ」
「悪竜は少し怖いですが、まあ魔法が効くなら何とかなるでしょう」
「神も祝福してくださることでしょう、ささっ道をお譲りください」
「おれには地図や見取り図をくれよ、そうすりゃいっぺんでわかるさ」

「お、おまえら、自らの命が惜しくはないのか?」
「ちっとも、とはいわないけれど、でもこれ以上無駄に人が死ぬことは無いはずよ」
「そうさ、剣じゃなくて槍だが妥協してきて今があるんだから今さら命くらいの話」
「怖くないっていったら嘘になるけれど、将軍さんだけでは負い切れない問題でしょう?」「だったら俺たちの力でどうにかしてやるっていってるんだぜ!」

「第二陣から必要な人員をこいつらに回してやれ! もしかしたら本当にやりおるかもしれん」 「将軍!」「将軍!」「将軍!」「ですが!」
「かまわん! 今まで人死には山のように見てきた! 無謀な輩を送り出すのがワシの仕事でもある! 行かせてやれ! 悪竜の心臓までな!」
「でっでは」「将軍の名に沿って、五人組みを無事心臓まで送り届けましょう!!」
「やったわね」「できるじゃねえか」「やれるもんですね」「うんうん」「へへへ」

「で、まずどうするの?」
「空間転移陣がもともと、この王都には敷かれています、
 それが破壊されていなければ、大体、この位置に転移する事になりますね」
「ほんほん、で、どうなるかな?」
「五人が同時に、悪竜の心臓部へ到達出来れば良いのですから、
 ここから悪竜の心臓部までの距離はそう遠くはない、走っていける距離です」
「なるほど、走るのはちと苦手ですが」
「魔法使いどののねむりの魔法は確かなものですから、空間転移時に真っ先にこれに
 割り振ってください、われわれも全力でサポートします、催眠魔法のね」
「あとは祝福することですね」
「わたしたちは魔法使いゆえに、特定の神を信仰することが出来ませんが、その点は僧侶殿の本分、あちらに転移されたあとに確実に祝福を貫徹してください」
「場所は分かったが見極めは俺がやらせてもらうぜ」
「ええ、心臓部は強固ですが、悪竜が入り込んだ箇所が最も守りが薄いものと思われまず、それゆえに、よっく狙って、これを倒す方法をお考えください」
「転移陣、しけました!!」
「じゃあ、いくわよ!!」
剣豪、魔法使い、僧侶、盗賊、文士見習い
タメク!イセイ!シングレ!ダノマ!アヤト!
まずは眠りの魔法を唱えるわ、魔法使いイセイ!
「あいよー!! 眠れ眠りにつくのだ悪竜トンベンマガスガトリクト!!」
次に祝福するわ、伝説の槍を、僧侶シングレ!!
「どうか、あの悪竜を討ちたおす力を我らに与えてください!!おお神よ!」
弱点はみつかった?! 盗賊ダノマ!!
「へへへっ!! ばっちし抜け穴が見つかったぜ! タメク!! 今だぜ!」
槍を構えて! 剣豪タメク!!!
「おおおおおおおおお!!!! 喰らいやがれ伝説の槍をぉおおおお!!!」

炸裂!! 一瞬のうちにして心臓部につきたった伝説の槍は、
そのチカラを眠れる悪竜の全身に伝搬し、これを完全に静止させた!
それ以降の波及的に拡大していく悪竜の断末魔は!
「スギャウウアウウアウアウアウウウウウウウウウウアアアアアアアアアア!!」
悪竜トンベンマガスガトリクト四世は死んだ。
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