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作者: konoyo
R-15
あの場所が呼んでいる
 なんだか急に眠くなってきた。ここで眠ってしまったら二度と目が覚めないことはなんとなくあたしも分かっていた。だけど今あたしを襲う睡魔の力は半端なものではなかった。首根っこを無理やり掴まれ引きずり込まれるようにあたしは漆黒の眠りの世界に着いた。遠くからみんながあたしの名前を呼んでいるのが聞こえる。待っていてね。次に目が覚めたら必ずみんなと最後のお話をするからね。最後にひとりずつお別れの言葉を言うからね。
 
 
またいつもの通りだ。そらはこのときを迎えたオレに必ず意地の悪いことをする。普段は優江に呼ばれないとこの世界に出てこられないオレだが、主の人間が死ぬ間際には無理やりこの世界に引っ張り出される。

どうもまだ優江は「生きている。」ようだ。優江はもうオレが呼んでも両親や仲間が呼んでも、ふうわが呼んでも答えることはない。ただ血の流れる体を横にしているだけだ。一部の人間は脳が死んでしまっているのになにが「生きている。」ものか、とのたまうやつもいるだろう。しかし、オレは認めない。優江はまだ懸命に生きているのだ。触ってみればわかる。まだ、手も足も胸も暖かい。熱い血が体中を巡っている証拠だ。脳死した人間を「死んだ。」という連中にあえて言ってやりたいが、お前らのような程度の低い脳みそで生きているも死んでいるもないだろう。我々デモンからすれば全ての人間が生きながら脳死の状態になっているのと同じなのだから
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