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作者: 鈴奈
Exspetioa2.5.12
 この日記帳を贈ってくださったシスター・ルゴサに、日記の内容を見ていただきました。
 書くことが違っている、と教えていただきました。
 日記は本来、一日の出来事やその時々に感じたことを記し、尊い生を過ごさせていただいたことを神様に感謝し、神様への愛を強くするためのものとのことです。
 本日から、一日の出来事を記したいと思います。

 朝の光が射し込むのと同時に、目が覚めました。シスター・アザレアが、四時を告げる鐘を鳴らしてくださったのを合図に、窓の外の光に跪き、今日も命があることを、この世界があることを、神様に感謝し、「修道女の誓い」を唱えました。

 四時三十分。水場へ向かい、手拭いを濡らして自室へ戻り、体を清めて、修道服に着替えました。

 五時。神様への手紙をしたためました。神様への愛と感謝、復活を待ち望む気持ちを綴りました。いつか復活され、私の手紙を手に取ってくださった時、幸せな気持ちになられますよう、心を込めました。

 六時半。神様への愛と感謝を胸に、沈黙し、心を清めました。

 六時五十分、鐘の合図で目を開けて、廊下に整列しました。足音を揃え、規律正しく、礼拝堂へ移動しました。

 七時。礼拝堂で、礼拝を行いました。修道女全員で、声を揃えて「修道女の誓い」を詠唱し、「美しい花で在れ」を合唱しました。最後に、マザーに、朝したためた神様への手紙を奉納しました。

 礼拝が終わった後、整列して大食堂へ向かいました。皆で協力しながら食事を盛り付け、八時、「神の恵みに感謝」を唱えました。目をつむり、体中で神様からのお恵みを感じました。今日は、レーズンとオレンジのケーキと、ペパーミントのハーブティーでした。いつも私たち皆が神様からのお恵みを感じられるよう、とてもおいしく、心を込めてつくってくださる、お菓子づくりの皆さんに感謝しました。

 八時半、「神の恵みに感謝。神に愛を」を唱え、食器を片付け、午前の労働をはじめました。
 私はまず、中庭に咲く花たちに挨拶をしました。今日も皆、とても元気に、美しく咲いていました。それから、外の井戸に水を汲みに行きました。水桶から水差しに水を入れ、花たちに、順番に水をあげました。
 ちょうどすべて終わったところで、十二時の鐘が聞こえました。水差しを置き、目をつむり、神様への愛と感謝を胸に、沈黙し、心を清めました。

 十二時二十分。休息の時間になりました。今日は、シスター・ロベリアとシスター・アナベルが、手をつないで私のところに駆けてきてくださいました。そして、晴れて「エス」になれたことを、とても幸せそうに報告してくださいました。お二人が幸せそうで、私もとても幸せな気持ちになりました。神様もきっと、幸せな気持ちになってくださるでしょう、と思いました。そうお二人にお伝えしたら、とても喜んでくださいました。そして、今日は二人で過ごしたいからと、私にお菓子をくださるとすぐ、手を振り駆けていかれました。私に一番に伝えたかったとおっしゃってくださり、とても嬉しかったです。

 その後にシスター・ルゴサが来て、日記の書き方について教えてくださいました。感謝。
 その後、シスター・プリムラとシスター・パンジーがいらっしゃいました。お二人も、シスター・ロベリアとシスター・アナベルがエスになったことをすでにご存知でいらっしゃって、お二人がエスになったことをお祝いするパーティーを開こう、とご提案くださいました。明日、「秘密の花園」に椅子を持ち寄り、集まることになりました。シスター・マネチアとシスター・トレニアも来てくださるそうです。とても楽しみです。
 それからは休息の時間が終わるまで、時間いっぱい、シスター・ルゴサ、シスター・プリムラ、シスター・パンジーとパーティーの内容を相談しました。たくさん話して、あまりにも楽しくて、ひとつひとつの内容をしっかりと記憶できていないのが残念です。ですが、質問大会をすることと、皆で食べるお菓子を持ち寄ること、お二人への贈り物を持ち寄ることが決まりました。私は花冠をお渡ししたいと思います。

 十二時五十分。シスター・ルゴサ、シスター・プリムラ、シスター・パンジーが、それぞれの仕事場に戻っていかれました。
 十三時。午後の労働がはじまりました。私は、「神の学び」の時間だったので、マザーのお部屋に伺いました。今日は天気がいいので、マザーの庭園で、カモミールのハーブティーと、シスター・ロベリアとシスター・アナベルからいただいたクッキーをいただきながら、神様のことについて教えていただきました。今日は、「神に捧げる愛のかたち」について、詳しく教えていただきました。神様に幸せになっていただくためには、神様がお抱えになる大きな孤独を埋め、神様だけを愛する、絶対的で、一途な真心が必要だと教えていただきました。
 また、日記の内容についても教えていただきました。日記の内容は、神様への感謝や愛を確かめることができれば、どう書いても自由とのことです。私が、シスター・ルゴサに教えていただいたように書いてみたい、とお伝えすると、マザーは了承してくださいました。ぜひ読んでみたいとおっしゃってくださいました。ただし、私は「神の花嫁」になるべきものなので、その日にマザーから教えていただいた「神の学び」はしっかりと復習する必要があるとのことで、そのためのノートを、マザーからいただきました。マザーの美しい瞳の色と同じ、澄んだ水色の綺麗な花柄のカバーで、とても嬉しかったです。今日から、出来事の日記と、「神の学び」を記す日記の、二つを書こうと思います。
 約二時間の学びが終わり、それから一時間、マザーとお話をしながらお庭に咲く花たちのお手入れをさせていただきました。
 その後、再び中庭に戻り、明日シスター・ロベリアとシスター・アナベルにお送りする花冠をつくりました。おそろいの白い花冠にしました。喜んでくださると嬉しいです。

 十七時。鐘の合図で目をつむり、神様への愛と感謝を胸に、沈黙し、心を清めました。
 沈黙の祈りを終えると、水場に行き、手拭いを濡らして、自室へ戻り、体を清め、ネグリジェに着替えました。
 そうして今に至ります。節目節目に時を告げる鐘を鳴らしてくださるシスター・アザレアに感謝。

 一日のことを日記に書いてみて、一日の尊さがますます身に染みて感じられました。
 改めて、シスター・ルゴサに感謝。

 この後は、マザーからいただいた日記に、今日の「神の学び」を綴り、十九時の鐘の合図で「修道女の誓い」を唱え、就寝します。

 今日も、あのお方に会えて嬉しかったです。明日もお会いできますように。
 明日はパーティーもとても楽しみです。明日も、幸せに咲くことができますように。

 今日も幸せに咲くことができました。神様のおかげです。
 私をこの世界に生んでくださり、ありがとうございます。
 神に感謝。神に愛を。
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