すべては国を守るため
謁見の間では図書館よりしずかに過ごしましょう
(やっべ、ひっろ)
派手より荘厳。騒がしいより落ち着いた雰囲気。でも、よくある静かにしなきゃいけないような圧力は感じなくて、ぐんと背伸びして、あっちこっち嗅ぎ回りたいじゃなくて探検したいような好奇心がむくりとしてしまいそう。
足元から赤い絨毯が伸びてる。ずーっと進んだ先に階段があって、そのまた先に王さまが座るいすがあった。今はからっぽのその席。その手前を重たい装備に身を固めた兵士が複数囲んでる。
あまり重装備だと小回りが利かないからぁ……わたしだったらカンタンにヤれそうだよ? とは言わないほうがいいかもしれない。
(あ、あっちにも道がある)
この空間の左右には白い柱が連なっていて、それを隔てて廊下があった。大きな窓から陽の光がまぶしく輝いて、シャンデリアもあるし火の魔法で明るく輝いているけど、この空間を照らす照明として活用されてるのは太陽の光だ。
「どうぞ前へ」
目の前の執事さんが手を玉座に向け、わたしたちに先行するよう誘う。柱に取り付けられた旗の数々を眺めつつ、わたしたちは足を前に進めていくのだった。
階段の手前、玉座を見上げる位置までやってくる。その左右にはこちらを興味深そうに見つめてくる人たちがいて、たぶんみんなエラい人たちなんだろう。
(いろいろいるなぁ)
服装がもうバラエティ豊かすぎ。この城のイメージに合うようなヨーロッパの貴族風味とか、ちょっと派手な甲冑みたいな人とか逆におっきな布を巻きまきしただけの人とか。
ちょっとだけ待たされて、だれかがデッカい声で叫んで、それからプププ~ってだれかさんがオナラのような楽器を鳴らした。
がちゃこーん……めっちゃ重たい鉄の扉が開くような音。よく見ると玉座の後ろにも大きな扉があって、そっちは屈強な男の人たちが数人がかりでそれに手をかけてるっぽい。
(魔法つかえばいいのに)
なんて思ってるうちに王さまが姿を表した。まちがいない、あれは王だ。だって王冠かぶってるもん。
(おもそーってかめっちゃキラキラテカテカしてる)
オジサンから聞いたけど金って純度があって、ほんとピッカピカな金はめちゃくちゃ重たいんじゃなかったっけ?
んで王さまの服装はどうだというと、うーんなんだろう? 赤マント?
(なにか着てるんだろーけどぜんぶ赤いマントで覆ってて見えない。腕までスッポリだし)
唯一見えるのはその表情。見るからに痩せこけていて、青白くて、ほんとうに生きてるの? とさえ思ってしまう。だけど目だけはギラギラした正気に満ちている。
「おいバカなにしてる」
「えっ」
左下からオジサンの声が、ん? ひだりした?
「あ」
ふと見渡せばみーんなヒザを折って顔を伏せてる。なんだったらグウェンちゃんは目を閉じて両手をあわせ祈りのポーズまでしてる。
「身支度中に言われただろ、さっさとしないか」
「ああっとごめんなさい!」
静寂の空間にわたしの声だけが響いた。
(うへぇはずかしー)
急いでヒザをつきおがむ。いやおがんじゃダメだあの人まだ死んでない、じゃなくてえーっと。
(よし、オジサンを参考にしよう。チラッ――あう)
めっちゃ睨んでる。とりあえずマネごとしましょう。つくヒザはどっちでもおーけー。上半身は胴体から少しだけ垂れて頭を下げるかんじ。
(こう、かな)
それからしばらく沈黙の時間が過ぎていく。地面しか見えない視界のなか、わたしは耳をたてて周囲の状況を伺ってみる。
足音がひとつ。ゆっくりでひ弱な、どちらかというとお年寄りのような歩調。それと絹擦れの音がついてきて、止まって、やがてなにかに座るような音が響く。
「面をあげよ」
どこかでだれかが口を開いた。その指示のままみんながそうする。
王さまが玉座にいる。線が細く、ひと目で病気だとわかるような顔色なのに、彼の姿はとても輝いているように見えた。
「……レシルはまだか」
「はっ、先日足を負傷されたとのことで――今しばらく」
「そうか。まあよい」
それから、彼はすぐ傍に控えていた人となにかを話し、こちらに面を向かい合わせる。
「マモノの襲撃を退けたそうだな。称賛に値する」
「はは! これ以上ないお言葉です」
オジサンは胸に手をあて、それからここにいる面々を示すように腕を広げた。
「異世界人の助けがあったからこその功績。此度の戦いは彼らなしでは成し遂げられませんでした」
「異世界人、旅人か」
王の視線が移りかわる。右からスプリットくん、ビーちゃん、そのうしろにいるサっちゃん、オジサンを通り越してわたし、そしてグウェンちゃんへ。
「アヴェスタ教会の修道服のようだが」
「彼女はグウェン。こちらの世界に流れ着いた際、教会の保護を受け身を寄せました」
紹介され恭しくヒザを折るグウェンちゃん。最年少なのにいちばん年上のレディーっぽい雰囲気を醸し出している。
(なんか負けた気がする)
そうか。そんな言葉だけ残して王さまは口を閉ざしてしまった。となりにいる人がなにやら耳打ちしてるからだ。ひそひそ声だしよく聞き取れなかったけど"だれかが来る"ってニュアンスだったと思う。それが合ってるかどうかの結果はすぐわかった。
「レシル王子のご到着です!」
わたしたちが入ってきた大きな扉ではなく、柱の向こうにあるほうから入室してきた。衣装こそ昨日のそれに負けず劣らずのものだったけど、その右足はふとももの付け根から足先までまっしろい包帯? みたいなものが巻かれてる。
(……にしてはゲンキだなぁ)
引きずってるし顔がこわばってはいるけどぉ、うん。あれ仮病じゃね? いやだってわかるもん、だって戦いでケガしちゃった人がガマンするときああいう感じじゃないもん。
っとうたぐるわたしと違い、彼のようすを見守るエラい人たちはみんなして心配するような表情。なかには目に涙を浮かべる人までいるし。
「送れて申し訳ありません」
ヒザはつかず、立礼のまま頭を垂れる。それがマナーとしていいのかわるいのかわからないけど、彼は送れた理由などより話したいことがあるようだった。
「昨日の件、マモノは異世界人の手によるものと判明しました」
唐突に打ち明けられた事実。動揺する周囲を置いて彼は続けた。
「現在詳しい被害状況の把握とともに、修繕の手立てを探っているところですが……目下の課題は奴らの正体にあります」
「レシル王子! 王の御膳においてそのような話から切り出すのは――」
「よい」
階下にいるエラい人のひとりが抗議の意思を示して、それは王のひとことで鎮められた。
「させておけ」
「コーポラル王、しかし」
「我が息子レシルの言葉は、この場に時の勇者とマモノを討った旅人を招いた理由を述べている。よい」
やわらかい物腰。それでいて反論を許さないピシャリとした言動だった。口を出した人がだまって引き下がるのを確認し、レシル王子は演説でもするかのように声を上げた。
「異世界人はドラゴンに騎乗していたものと思われます」
その言葉に両サイドのエラい人たちがざわつきはじめる。実在したのか? 大戦時でさえ姿を見せなかったヤツらが? そのほかいろんな意見があちこちから飛び出し、それがおさまるタイミングを見計らってレシル王子が言う。
「ヤツらは敵国のスパイである可能性が高い。事実であれば、敵国はドラゴンを操る術をもっているということになる」
(え、そうなの?)
あのドラゴンさん、自分から望んで飛び回ってた感じだけど。彼は危機感をあおるような口調で続けた。
「異世界人がいつどこからやってくるのかは謎に包まれている。彼らは記憶を失ってここに来るからな。しかし、異世界人は我らを上回る能力をもつことが多く、さらに訓練次第で特殊なスキルを覚えるらしい」
特殊なスキル。わたしたちが口に出さなければ発動できない俊足や、ビーちゃんの一斉射撃のようなアレだ。
「古の勇者はその業をもって魔王を討伐した……だが問題はソコではない。彼らがいつ、どこからやってくるかわからないことのほうが問題なのだ!」
言って、彼はわたしたちを指し示した。
「旅人はとつぜん大陸に出現する。アイン・マラハだけではなくクー・タオ全域にだ。つまり、敵国にも異世界人が現れ、戦闘訓練を受け、我がストッケード城を破壊したヤツらのように害をなす存在に成り果てる可能性が高いのだ!」
(いやいや急になに言い出すの?)
なんかわたしたちワルモノみたいな言い方じゃん!
「レシル様、それは」
「待て」
レシル王子は、反論しようとしたオジサンに静止のジェスチャーをした。
「誤解するな。我は異世界人の能力を高く買っている。だからこそ、我らもそれに備えなければならないと言っているのだ」
(誤解もなにもサッパリなんだけど?)
だからこそってなに? だれか翻訳してくれる人いませんかー?
「異世界人の力を恐れることはない! なぜなら、異世界人は我が国にもいる。それも伝説の勇者チャールズが直に鍛え上げた精鋭だ!」
「ッ!?」
言葉の意味を、その言葉に秘められたメッセージを察したみんなが一様に彼に視線を向ける。
(ちょっとまって。彼が言ってることってつまりそういうこと?)
「彼らなら成し遂げられるだろう。いや成し遂げられなければならない! そこで王に乞う。彼らをぜひ正規軍に加えていただき――」
「ちょっとまって!」
気付いたとき、わたしはだれよりも響き渡る声で叫んでた。
派手より荘厳。騒がしいより落ち着いた雰囲気。でも、よくある静かにしなきゃいけないような圧力は感じなくて、ぐんと背伸びして、あっちこっち嗅ぎ回りたいじゃなくて探検したいような好奇心がむくりとしてしまいそう。
足元から赤い絨毯が伸びてる。ずーっと進んだ先に階段があって、そのまた先に王さまが座るいすがあった。今はからっぽのその席。その手前を重たい装備に身を固めた兵士が複数囲んでる。
あまり重装備だと小回りが利かないからぁ……わたしだったらカンタンにヤれそうだよ? とは言わないほうがいいかもしれない。
(あ、あっちにも道がある)
この空間の左右には白い柱が連なっていて、それを隔てて廊下があった。大きな窓から陽の光がまぶしく輝いて、シャンデリアもあるし火の魔法で明るく輝いているけど、この空間を照らす照明として活用されてるのは太陽の光だ。
「どうぞ前へ」
目の前の執事さんが手を玉座に向け、わたしたちに先行するよう誘う。柱に取り付けられた旗の数々を眺めつつ、わたしたちは足を前に進めていくのだった。
階段の手前、玉座を見上げる位置までやってくる。その左右にはこちらを興味深そうに見つめてくる人たちがいて、たぶんみんなエラい人たちなんだろう。
(いろいろいるなぁ)
服装がもうバラエティ豊かすぎ。この城のイメージに合うようなヨーロッパの貴族風味とか、ちょっと派手な甲冑みたいな人とか逆におっきな布を巻きまきしただけの人とか。
ちょっとだけ待たされて、だれかがデッカい声で叫んで、それからプププ~ってだれかさんがオナラのような楽器を鳴らした。
がちゃこーん……めっちゃ重たい鉄の扉が開くような音。よく見ると玉座の後ろにも大きな扉があって、そっちは屈強な男の人たちが数人がかりでそれに手をかけてるっぽい。
(魔法つかえばいいのに)
なんて思ってるうちに王さまが姿を表した。まちがいない、あれは王だ。だって王冠かぶってるもん。
(おもそーってかめっちゃキラキラテカテカしてる)
オジサンから聞いたけど金って純度があって、ほんとピッカピカな金はめちゃくちゃ重たいんじゃなかったっけ?
んで王さまの服装はどうだというと、うーんなんだろう? 赤マント?
(なにか着てるんだろーけどぜんぶ赤いマントで覆ってて見えない。腕までスッポリだし)
唯一見えるのはその表情。見るからに痩せこけていて、青白くて、ほんとうに生きてるの? とさえ思ってしまう。だけど目だけはギラギラした正気に満ちている。
「おいバカなにしてる」
「えっ」
左下からオジサンの声が、ん? ひだりした?
「あ」
ふと見渡せばみーんなヒザを折って顔を伏せてる。なんだったらグウェンちゃんは目を閉じて両手をあわせ祈りのポーズまでしてる。
「身支度中に言われただろ、さっさとしないか」
「ああっとごめんなさい!」
静寂の空間にわたしの声だけが響いた。
(うへぇはずかしー)
急いでヒザをつきおがむ。いやおがんじゃダメだあの人まだ死んでない、じゃなくてえーっと。
(よし、オジサンを参考にしよう。チラッ――あう)
めっちゃ睨んでる。とりあえずマネごとしましょう。つくヒザはどっちでもおーけー。上半身は胴体から少しだけ垂れて頭を下げるかんじ。
(こう、かな)
それからしばらく沈黙の時間が過ぎていく。地面しか見えない視界のなか、わたしは耳をたてて周囲の状況を伺ってみる。
足音がひとつ。ゆっくりでひ弱な、どちらかというとお年寄りのような歩調。それと絹擦れの音がついてきて、止まって、やがてなにかに座るような音が響く。
「面をあげよ」
どこかでだれかが口を開いた。その指示のままみんながそうする。
王さまが玉座にいる。線が細く、ひと目で病気だとわかるような顔色なのに、彼の姿はとても輝いているように見えた。
「……レシルはまだか」
「はっ、先日足を負傷されたとのことで――今しばらく」
「そうか。まあよい」
それから、彼はすぐ傍に控えていた人となにかを話し、こちらに面を向かい合わせる。
「マモノの襲撃を退けたそうだな。称賛に値する」
「はは! これ以上ないお言葉です」
オジサンは胸に手をあて、それからここにいる面々を示すように腕を広げた。
「異世界人の助けがあったからこその功績。此度の戦いは彼らなしでは成し遂げられませんでした」
「異世界人、旅人か」
王の視線が移りかわる。右からスプリットくん、ビーちゃん、そのうしろにいるサっちゃん、オジサンを通り越してわたし、そしてグウェンちゃんへ。
「アヴェスタ教会の修道服のようだが」
「彼女はグウェン。こちらの世界に流れ着いた際、教会の保護を受け身を寄せました」
紹介され恭しくヒザを折るグウェンちゃん。最年少なのにいちばん年上のレディーっぽい雰囲気を醸し出している。
(なんか負けた気がする)
そうか。そんな言葉だけ残して王さまは口を閉ざしてしまった。となりにいる人がなにやら耳打ちしてるからだ。ひそひそ声だしよく聞き取れなかったけど"だれかが来る"ってニュアンスだったと思う。それが合ってるかどうかの結果はすぐわかった。
「レシル王子のご到着です!」
わたしたちが入ってきた大きな扉ではなく、柱の向こうにあるほうから入室してきた。衣装こそ昨日のそれに負けず劣らずのものだったけど、その右足はふとももの付け根から足先までまっしろい包帯? みたいなものが巻かれてる。
(……にしてはゲンキだなぁ)
引きずってるし顔がこわばってはいるけどぉ、うん。あれ仮病じゃね? いやだってわかるもん、だって戦いでケガしちゃった人がガマンするときああいう感じじゃないもん。
っとうたぐるわたしと違い、彼のようすを見守るエラい人たちはみんなして心配するような表情。なかには目に涙を浮かべる人までいるし。
「送れて申し訳ありません」
ヒザはつかず、立礼のまま頭を垂れる。それがマナーとしていいのかわるいのかわからないけど、彼は送れた理由などより話したいことがあるようだった。
「昨日の件、マモノは異世界人の手によるものと判明しました」
唐突に打ち明けられた事実。動揺する周囲を置いて彼は続けた。
「現在詳しい被害状況の把握とともに、修繕の手立てを探っているところですが……目下の課題は奴らの正体にあります」
「レシル王子! 王の御膳においてそのような話から切り出すのは――」
「よい」
階下にいるエラい人のひとりが抗議の意思を示して、それは王のひとことで鎮められた。
「させておけ」
「コーポラル王、しかし」
「我が息子レシルの言葉は、この場に時の勇者とマモノを討った旅人を招いた理由を述べている。よい」
やわらかい物腰。それでいて反論を許さないピシャリとした言動だった。口を出した人がだまって引き下がるのを確認し、レシル王子は演説でもするかのように声を上げた。
「異世界人はドラゴンに騎乗していたものと思われます」
その言葉に両サイドのエラい人たちがざわつきはじめる。実在したのか? 大戦時でさえ姿を見せなかったヤツらが? そのほかいろんな意見があちこちから飛び出し、それがおさまるタイミングを見計らってレシル王子が言う。
「ヤツらは敵国のスパイである可能性が高い。事実であれば、敵国はドラゴンを操る術をもっているということになる」
(え、そうなの?)
あのドラゴンさん、自分から望んで飛び回ってた感じだけど。彼は危機感をあおるような口調で続けた。
「異世界人がいつどこからやってくるのかは謎に包まれている。彼らは記憶を失ってここに来るからな。しかし、異世界人は我らを上回る能力をもつことが多く、さらに訓練次第で特殊なスキルを覚えるらしい」
特殊なスキル。わたしたちが口に出さなければ発動できない俊足や、ビーちゃんの一斉射撃のようなアレだ。
「古の勇者はその業をもって魔王を討伐した……だが問題はソコではない。彼らがいつ、どこからやってくるかわからないことのほうが問題なのだ!」
言って、彼はわたしたちを指し示した。
「旅人はとつぜん大陸に出現する。アイン・マラハだけではなくクー・タオ全域にだ。つまり、敵国にも異世界人が現れ、戦闘訓練を受け、我がストッケード城を破壊したヤツらのように害をなす存在に成り果てる可能性が高いのだ!」
(いやいや急になに言い出すの?)
なんかわたしたちワルモノみたいな言い方じゃん!
「レシル様、それは」
「待て」
レシル王子は、反論しようとしたオジサンに静止のジェスチャーをした。
「誤解するな。我は異世界人の能力を高く買っている。だからこそ、我らもそれに備えなければならないと言っているのだ」
(誤解もなにもサッパリなんだけど?)
だからこそってなに? だれか翻訳してくれる人いませんかー?
「異世界人の力を恐れることはない! なぜなら、異世界人は我が国にもいる。それも伝説の勇者チャールズが直に鍛え上げた精鋭だ!」
「ッ!?」
言葉の意味を、その言葉に秘められたメッセージを察したみんなが一様に彼に視線を向ける。
(ちょっとまって。彼が言ってることってつまりそういうこと?)
「彼らなら成し遂げられるだろう。いや成し遂げられなければならない! そこで王に乞う。彼らをぜひ正規軍に加えていただき――」
「ちょっとまって!」
気付いたとき、わたしはだれよりも響き渡る声で叫んでた。