第2話 絶望を希望に変えろ!! 16 ―タマゴの決意―
16
答えが出ない。一瞬にしてタマゴの頭の中で思考がグルグルと巡る。
だが、敵はそんな一瞬すらも与えてはくれない……
「おいおい!! 何が逃げろだ? そんな事させねぇよ!! 三人共……いや、一人は一匹か? まぁ良い、どっちでも良い!! 三人共まとめてブッ殺してやるッッ!!」
そして、男は再び引き金を引いた。
「うわぁぁぁ……!!」
銃声を聞いた男の子の断末魔の様な叫びが工場内に響き渡る。
「何やってんだッ! 早くしろッ! 早くその子を連れて逃げるんだよッ!!!」
少年は後ろを振り向きタマゴに向かって叫んだ。その瞬間、少年の頬のすぐ横を熱い風が走った。
「………ッ!!」
少年達の背後で火花が散る。弾丸が彼らの後ろの壁に当たったんだ。
だが、それでも男は笑う。
「フハハハハハハハハッッ!! 踊るなぁ~お前ら!! どうだ?ビックリしたか? 撃たれると思っただろ? でもさぁ……ハハッ! 次は当てるぜ!! 嗚呼、調子に乗らなければ殺しはしなかったのによ! お前らの親から金さえ奪えれば帰してやったのにさぁ!!!」
そう言うと男は、のっそりと背中を壁から離し、ゾンビの様にユラユラと揺れながら少年達に近付いてきた。
「バンッ! バンッ! バンッ!!! フハハハハハッ!!!」
男は銃声の口真似をしながら少年・タマゴ・男の子の順番でその銃口を向けた。
「この野郎……」
少年がボソリと呟いた。
― コイツの挑発に乗って暴走する気は無い!! でも、挑発だけじゃなくて、またすぐにコイツは撃ってくるだろう!! 多分、さっきのはわざと外したんだ!! だったら次は、言葉通り誰かが撃たれる!! それがこの子であっちゃいけない!! 早く!! 早くしないと!!
少年は再びタマゴに向かって叫んだ。
「早くッ!! その子を連れて早く行けッ!!」
だが、少年だってタマゴが何を考えているのかは分かっている。
「お前、 俺を死なせる訳にはいかないって考えてるんだろ!! だって、俺の命には世界の命運が掛かっているから!! でもな!!」
「フハハハハハハハハッ!!! お前に世界の命運が掛かってる? おぉ!! 遂にとち狂ったかッ!! フハハハハハハハッ!!!」
少年の言葉を男は嘲笑った。
「うぅ……もう嫌だぁ……」
男の笑い声を聞いた男の子は現実から目を背けるためか、それともほんの少しでも自分の身を弾丸から守るためか、膝を丸めた格好で頭を抱えると、ガクガクと震えながら冷たい地面の上に倒れ込んでしまった。
男の子の心が限界に近いのは誰の目にも明らかだ……
「あぁ……ダメだ……ダメだボズ!!」
その姿を見たタマゴは思った。
― ダメだボズ……このままじゃ、この子の心は絶望によって壊されてしまうかもしれないボズ。心が一度でも破壊されたら、その心はもう簡単には元には戻らないボズ……早くこの子を、この状況から脱出させないと!!
タマゴは少年をキッと見た。その瞳に決意が宿る。
「俺は、お前を信じてるからなボッズー!! 絶対生きて、お前の笑顔をまた俺に見せてくれボッズー!!」
タマゴは少年に向かって叫んだ。でも、この時同時に少年もタマゴに向かって叫んでいた。
「俺を信じろ!! 俺は英雄だッ!! お前と一緒に世界を救う、それが俺だッ!! こんなところで、こんな奴に俺は負けない!!」
二人の声は重なり合った。
「えっ?」
「えっ?」
やっと、二人の意見が合致した。
「「へへっ……!」」
二人はその事に気が付くと一瞬笑みを漏らした。
そして、少年はタマゴに向かって叫んだ。
「ヨッシャァ!! んじゃあ、頼んだぜ!!」
「ほいやっさ!!」
一致団結すれば早い、タマゴは元気良く答えると翼を一振り。一気に男の子に近付くと、男の子の体を両手両足でしっかりと掴み、男の子を宙に持ち上げた。
「え、え? なに??」
体が宙に浮く感覚に驚いた男の子が頭を抱えた手を離し目を開けると
「行くぜボッズー!!」
タマゴは男の子の問いに答える前に、開け放たれた工場の出入り口に向かって一気に飛んでった。
「うわぁーーーー!!!」
絶望の世界に足を踏み入れていた男の子にもタマゴが何をしようとしているのかが分かったのだろう、さっきまでの恐怖の叫びとは違う希望に包まれた雄叫びを男の子はあげた。
「何ぃ!! 待てッ!!」
男が飛んで行く二人に向かって銃を向ける。しかし、
「おっとと! お前の相手は俺だぜ!」
それを阻止しようと少年は腕時計を叩いた。
パカッと文字盤が開いた瞬間、目映い光が工場内に輝いた。
「うぅ……ッ!!!」
あまりの眩しさに男は、タマゴと男の子に向けた手で思わず目を隠す。
「へへっ……!!」
少年が笑った。
おそらく、男の子にとっては太陽の様な少年の笑顔も、男にとっては不敵な笑みだろう。
「クソがぁぁぁ!!! ………え?何ッ!!!」
光が消えて、男が少年への怒りを露にしながら再び目を開いた時、不思議な事が起こっていた。
答えが出ない。一瞬にしてタマゴの頭の中で思考がグルグルと巡る。
だが、敵はそんな一瞬すらも与えてはくれない……
「おいおい!! 何が逃げろだ? そんな事させねぇよ!! 三人共……いや、一人は一匹か? まぁ良い、どっちでも良い!! 三人共まとめてブッ殺してやるッッ!!」
そして、男は再び引き金を引いた。
「うわぁぁぁ……!!」
銃声を聞いた男の子の断末魔の様な叫びが工場内に響き渡る。
「何やってんだッ! 早くしろッ! 早くその子を連れて逃げるんだよッ!!!」
少年は後ろを振り向きタマゴに向かって叫んだ。その瞬間、少年の頬のすぐ横を熱い風が走った。
「………ッ!!」
少年達の背後で火花が散る。弾丸が彼らの後ろの壁に当たったんだ。
だが、それでも男は笑う。
「フハハハハハハハハッッ!! 踊るなぁ~お前ら!! どうだ?ビックリしたか? 撃たれると思っただろ? でもさぁ……ハハッ! 次は当てるぜ!! 嗚呼、調子に乗らなければ殺しはしなかったのによ! お前らの親から金さえ奪えれば帰してやったのにさぁ!!!」
そう言うと男は、のっそりと背中を壁から離し、ゾンビの様にユラユラと揺れながら少年達に近付いてきた。
「バンッ! バンッ! バンッ!!! フハハハハハッ!!!」
男は銃声の口真似をしながら少年・タマゴ・男の子の順番でその銃口を向けた。
「この野郎……」
少年がボソリと呟いた。
― コイツの挑発に乗って暴走する気は無い!! でも、挑発だけじゃなくて、またすぐにコイツは撃ってくるだろう!! 多分、さっきのはわざと外したんだ!! だったら次は、言葉通り誰かが撃たれる!! それがこの子であっちゃいけない!! 早く!! 早くしないと!!
少年は再びタマゴに向かって叫んだ。
「早くッ!! その子を連れて早く行けッ!!」
だが、少年だってタマゴが何を考えているのかは分かっている。
「お前、 俺を死なせる訳にはいかないって考えてるんだろ!! だって、俺の命には世界の命運が掛かっているから!! でもな!!」
「フハハハハハハハハッ!!! お前に世界の命運が掛かってる? おぉ!! 遂にとち狂ったかッ!! フハハハハハハハッ!!!」
少年の言葉を男は嘲笑った。
「うぅ……もう嫌だぁ……」
男の笑い声を聞いた男の子は現実から目を背けるためか、それともほんの少しでも自分の身を弾丸から守るためか、膝を丸めた格好で頭を抱えると、ガクガクと震えながら冷たい地面の上に倒れ込んでしまった。
男の子の心が限界に近いのは誰の目にも明らかだ……
「あぁ……ダメだ……ダメだボズ!!」
その姿を見たタマゴは思った。
― ダメだボズ……このままじゃ、この子の心は絶望によって壊されてしまうかもしれないボズ。心が一度でも破壊されたら、その心はもう簡単には元には戻らないボズ……早くこの子を、この状況から脱出させないと!!
タマゴは少年をキッと見た。その瞳に決意が宿る。
「俺は、お前を信じてるからなボッズー!! 絶対生きて、お前の笑顔をまた俺に見せてくれボッズー!!」
タマゴは少年に向かって叫んだ。でも、この時同時に少年もタマゴに向かって叫んでいた。
「俺を信じろ!! 俺は英雄だッ!! お前と一緒に世界を救う、それが俺だッ!! こんなところで、こんな奴に俺は負けない!!」
二人の声は重なり合った。
「えっ?」
「えっ?」
やっと、二人の意見が合致した。
「「へへっ……!」」
二人はその事に気が付くと一瞬笑みを漏らした。
そして、少年はタマゴに向かって叫んだ。
「ヨッシャァ!! んじゃあ、頼んだぜ!!」
「ほいやっさ!!」
一致団結すれば早い、タマゴは元気良く答えると翼を一振り。一気に男の子に近付くと、男の子の体を両手両足でしっかりと掴み、男の子を宙に持ち上げた。
「え、え? なに??」
体が宙に浮く感覚に驚いた男の子が頭を抱えた手を離し目を開けると
「行くぜボッズー!!」
タマゴは男の子の問いに答える前に、開け放たれた工場の出入り口に向かって一気に飛んでった。
「うわぁーーーー!!!」
絶望の世界に足を踏み入れていた男の子にもタマゴが何をしようとしているのかが分かったのだろう、さっきまでの恐怖の叫びとは違う希望に包まれた雄叫びを男の子はあげた。
「何ぃ!! 待てッ!!」
男が飛んで行く二人に向かって銃を向ける。しかし、
「おっとと! お前の相手は俺だぜ!」
それを阻止しようと少年は腕時計を叩いた。
パカッと文字盤が開いた瞬間、目映い光が工場内に輝いた。
「うぅ……ッ!!!」
あまりの眩しさに男は、タマゴと男の子に向けた手で思わず目を隠す。
「へへっ……!!」
少年が笑った。
おそらく、男の子にとっては太陽の様な少年の笑顔も、男にとっては不敵な笑みだろう。
「クソがぁぁぁ!!! ………え?何ッ!!!」
光が消えて、男が少年への怒りを露にしながら再び目を開いた時、不思議な事が起こっていた。