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作者: タアアタ
残酷な描写あり
第15話 テヌ王国VS悪竜二世
剣豪、魔法使い、僧侶、盗賊、文士見習い!
タメク!イセイ!シングレ!ダノマ!アヤト!
「これ、毎回やるの?」
「わかりやすいじゃないですか」
「だんだんわたしも慣れてきましたよ」
「あーあ、何なんだろうなこれは」
「うふふ、なんでしょうねこれは」
クエストをクリアし、大量のお金お金お金を
銀行に預けて、次の場所に進むことにする。
「もうこの国にいる理由は他にないが・・・・・・」
「あの張り紙はどうするんですか?」
「悪竜、なんとおそろしいことでしょう」
「テヌ国民が騒いでるよなー、その鳴き声で」
「好きにしたらいいんじゃない?」
悪竜の倒し方は決まっているし、また同じように、
行くに違いないと思っている五人でした。
しかし悪竜はすこし違いました。
「あっ悪竜だ」
「ホントだテヌ王国にこんなにはやく」
「あらわれるなんて!!」
「うわーーー」
「にげろーー!!」
人々の悲鳴が響きます、踏みつぶされる市街、
破壊される城壁、なんでもかんでも壊せるだけ、
おおきくなったそのカラダ。
「アヤトさん! 今回は逃げようぜ!」
「ええ!? そうするの? ま、いいけどね」
悪竜の進撃によって、
テヌ王国は崩壊してしまったのです。
なんということでしょう、
それだけ巨大だったか、その悪竜。
「タメク、倒そうと思えば倒せるわ、
 そういう風に出来ているものだもの」
「アヤトさん、あんたが言うように、
 足が動くなら良かったんだがな、
 でも、気乗りしなかったんだろう?」
「そうね、わたしなんだか飽きちゃって」
「飽きた!? ただそれだけで町が壊れるのを!?」
「いいえ、だってクエストをクリアしている限り
 自由に考えて、文士になることさえ出来ないのだもの」
「・・・・・・」
「将来のことを考えたら、文士としてより多く書くことで、
 世の中を理解しなきゃいけないのよ」
「そうじゃあない」
「ちがうとおもうよ」
「ぜったいちがいます」
「まちがってるぜそれ」
「そうかしら?」
「本や文書の中にあるのは終わった世界だ開く奴は趣味者」
「今ある世界は終わってない世界です歩く人は旅人」
「終わってない世界の為に書いてほしいのです私たちは」
「わかってるんだろう?ホントは?」
「そうね、そうかもしれないわ」
崩壊する街並みの中で、住民の声が響くの訊き、
アヤトは決意したの。
「悪竜を倒しましょう!また、前のように!」
悪竜は次の拠点、次の村、次の獲物を探してるって、
クエスト発注書には被害者が描かれている。
皆、元は異世界でひどい目にあって、こちらの世界で、
楽しみたいから転生してきた転生人ばかり、
にもかかわらず、出てきたところを悪竜にばっくりいかれて、
続きの物語がまるきり無くなってしまったものばかり、
物語の続きが悪竜のウンチだなんて悪文、
許して言い訳がないわ。
「アヤトはこの世界で生きる文士見習いよ、
 ならやることは決まってたじゃないやるわ!」

テヌ王国きっての異世界転生人である、
 ショウマニンゲは恐怖していた。
 それはさながら自分に突っ込んできたトラックの、
タイヤの下敷きになったのちに、
アスファルトにへばりついた自分の、
自分自身の痺れていく激痛と共鳴したように、
あの時、ほんの一瞬あった意識と似ていた。
 この世界に転生した時、命があることを、
喜んだだろうか? いや笑ったのかもしれない、
死んだってどうにかなるものだって、
だが今や目の前にある現実は、再びの死である。
悪竜が次々と異世界転生人を貪り食っていく、
一度死んで蘇った、その生命の光りを、
保った輝く命をどす黒い肉体に取り込んでいく、
悪竜はそれだけ力を持っていた。 確かな力を。
スキルも役に立たない、主人公補正も無い、
ただ圧倒的に巨大な悪竜に、蚤やシラミのように、
挑んでは喰われていく異世界転生人の群れ、
作戦や確実に助けてくれる魔法も無いのだ。
求めるのは救ってくれる手だった。
いつだってそうだった、
どんな人生を投げだす瞬間でも、
あたたかく差し出してくれる手があれば、
もっと長く生きられるのだろうに。
「嫌だ」
悪竜は迫る、異世界転生人の補正レベルをすべて、
取り込んで、耐性をMAXにしたその化け物は、
「くるなあああああああああ!!!!!!」
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