残酷な描写あり
第14話 悪竜の必要性
ドラゴンのお話をどれだけ訊いたことがあるだろうか?
ドラゴンのおとぎ話には勇者などは出てきたりしない、
ただ巨大な竜が居た、世界を作れるほど巨大なと、
これだけしか記述がなくても、充分にお話になる。
いつしか騎士物語と合体して竜退治のイコンが高々と、
騎士団に飾られるまで、ドラゴンはただ天地を砕く、
巨大な大河の流れをしてあった。
悪竜トンベンマガスガトリクトもまたその一匹である。
いまやテヌ王国国内であらぶる一匹の魔物のひとつでしかないが、
確実に他の魔物、異世界転生民族を丸呑みにして巨大化を果たし、
徐々にそのクエストの張り紙が増え、大きくなるを知る。
二世、一世よりもより強大な形を持って動く、
トンベンマガスガトリクト二世は異世界転生民族という餌を得た。
彼らは数多の伝説をおさめ、伝説の宝珠や武具を持つ、
そしてその他、秘伝の機器を身に着けた彼らは悪竜にとっての餌、
未来の原石である若人を喰らうことで圧倒的な成長を遂げた、
トンベンマガスガトリクト二世は今や悪竜の中の王、
悪竜王として、テヌの山岳深くで、餌が来るのを待っていた。
既に餌になった異世界転生民族は三十万を軽く超え、
テヌ国出国の最終クエストと考えた者たちの多くが、
かの悪竜の牙に掛かり餌となった。
それだけの国土があるテヌ王国を自らの身体の一部のように、
扱うトンベンマガスガトリクト二世は悠々と眠りについた。
三十万の人を喰らう大きさに成長したそれは
山肌に沿って寝ているだけで、その寝息が
テヌ王国中に響き渡るほどであったという。
「無事、成功いたしましたな、クシ王」
「ふむ、随分と簡単にいったものだ一等文士どの」
「ええ、して褒賞ですが」
「よかろう、そなたには商人づてで自由になる船を与える」
「はっ」
「お前ほどの文士がいれば人の世に起こる隆盛は
もはや取るにも足らぬものだろうな」
「いえいえ、あくまで先行きを思い描いているだけです、
私の手柄ではなく、あくまで悪竜のやったことでしょうに」
「まったく、嫌味な謙遜だ」
敵国の窮状に悪竜という塩を送ったのだとは、
クシ王国のクシ王はそこまで考えもしなかったが、
召喚士と転生民族の噂は恐るべきものであった故に、
むしろテヌ王国の戦力を丸ごと悪竜にしてしまったと、
考えていいのであるが、
「悪竜は? 退治できる手筈は?」
「どうでしょう? そこまでは私は」
「やれやれ」
普通に発展を遂げなかった世界の問題を論じることほど、
ややこしいものはない、人間の力以外で発展を遂げれば、
人文が及ぶまでに時間を多く要するよって、
より多くの文士が必要になり、それを文書として担保にするにも、
実に、時間が掛かるものなのだ。
「この世界自体を作り出したのが人間か悪竜か、
どちらかだとしても、それを記録するのが
貴様ら文士の仕事故に、結局、歴史は文士が、
記したものに切り替わっていくものだな」
「わかりきったことですが、王、
そこに人の足跡なければ、
我々は書けず、書かないのですよ」
ドラゴンのおとぎ話には勇者などは出てきたりしない、
ただ巨大な竜が居た、世界を作れるほど巨大なと、
これだけしか記述がなくても、充分にお話になる。
いつしか騎士物語と合体して竜退治のイコンが高々と、
騎士団に飾られるまで、ドラゴンはただ天地を砕く、
巨大な大河の流れをしてあった。
悪竜トンベンマガスガトリクトもまたその一匹である。
いまやテヌ王国国内であらぶる一匹の魔物のひとつでしかないが、
確実に他の魔物、異世界転生民族を丸呑みにして巨大化を果たし、
徐々にそのクエストの張り紙が増え、大きくなるを知る。
二世、一世よりもより強大な形を持って動く、
トンベンマガスガトリクト二世は異世界転生民族という餌を得た。
彼らは数多の伝説をおさめ、伝説の宝珠や武具を持つ、
そしてその他、秘伝の機器を身に着けた彼らは悪竜にとっての餌、
未来の原石である若人を喰らうことで圧倒的な成長を遂げた、
トンベンマガスガトリクト二世は今や悪竜の中の王、
悪竜王として、テヌの山岳深くで、餌が来るのを待っていた。
既に餌になった異世界転生民族は三十万を軽く超え、
テヌ国出国の最終クエストと考えた者たちの多くが、
かの悪竜の牙に掛かり餌となった。
それだけの国土があるテヌ王国を自らの身体の一部のように、
扱うトンベンマガスガトリクト二世は悠々と眠りについた。
三十万の人を喰らう大きさに成長したそれは
山肌に沿って寝ているだけで、その寝息が
テヌ王国中に響き渡るほどであったという。
「無事、成功いたしましたな、クシ王」
「ふむ、随分と簡単にいったものだ一等文士どの」
「ええ、して褒賞ですが」
「よかろう、そなたには商人づてで自由になる船を与える」
「はっ」
「お前ほどの文士がいれば人の世に起こる隆盛は
もはや取るにも足らぬものだろうな」
「いえいえ、あくまで先行きを思い描いているだけです、
私の手柄ではなく、あくまで悪竜のやったことでしょうに」
「まったく、嫌味な謙遜だ」
敵国の窮状に悪竜という塩を送ったのだとは、
クシ王国のクシ王はそこまで考えもしなかったが、
召喚士と転生民族の噂は恐るべきものであった故に、
むしろテヌ王国の戦力を丸ごと悪竜にしてしまったと、
考えていいのであるが、
「悪竜は? 退治できる手筈は?」
「どうでしょう? そこまでは私は」
「やれやれ」
普通に発展を遂げなかった世界の問題を論じることほど、
ややこしいものはない、人間の力以外で発展を遂げれば、
人文が及ぶまでに時間を多く要するよって、
より多くの文士が必要になり、それを文書として担保にするにも、
実に、時間が掛かるものなのだ。
「この世界自体を作り出したのが人間か悪竜か、
どちらかだとしても、それを記録するのが
貴様ら文士の仕事故に、結局、歴史は文士が、
記したものに切り替わっていくものだな」
「わかりきったことですが、王、
そこに人の足跡なければ、
我々は書けず、書かないのですよ」