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作者: タアアタ
残酷な描写あり
第4話 悪竜本文
武士の本分ってか?
散ってった奴はみな善人かもしれねえ、
「ウンコゲロリズムスバラシヤンバシ!!!」
「すげえ鳴き声だ、あれが悪竜か!」
「竜騎士どのぉぉぉ! お気を付けください!」
悪竜の見た目を悪文で列挙すると、こうか、
その丈、長々しく鱗の羅列は行列にして結構、
頭は頑丈な骨でできていて牙の数百越えて結構、
絶対に踏まれたくない足がドシンドシンで結構、
「ちっこんな時、文士がいたら戦いやすいものを」
「槍です!! 馬も要りますか!?」
「馬民族は引っ込んでいろ!
 これは大人と大人の一騎打ちなぁーのだぁー!!」
「文士をー!! 急ぎ一等文士をよべぇぇぇ!!」
「竜騎士様、ご出陣にてぇっぇっぇぇぇ!!!!」
この気持ちの高ぶりも、一瞬の気の迷いも、
後世には残らん! 残るのは!!
「悪竜が死んだという事実のみ!!
 きぃぇええええええええええええええぃぃぃ!!!」
「カンブリドッチゲリシテンマズイジブック」
「なに!?」
「ギンバルドリデルサンジテトリマドックン」
「ダメか! 二本目をよこせぇい!!」
「お受け取りをおおおおおおおおおおお!!」
従者と竜騎士は龍を狩るために、
ヒットアンドアウェイという戦術を取っていた。
その戦法は多勢がなければ通用しないため、
後方に弓兵が控えて、
竜騎士の一騎打ちを補助してるのは秘密だ。
「悪竜死にさらせええええええええい!!!」
その鋭いヤリの一撃は悪竜、なづけるならば、
トンベンマガスガトリクトに確実に迫るものの、
鱗の硬さと油に弾かれて通らない。
「文士どの! 勝利をお描きください!!」
「ええい、だまっておれ、貴様には
 あの竜騎士が苦戦するところ、見えぬのか?」
「そこをなんとか文士どのぉぉぉぉ!!!」
通らぬ、こうもヤリを通さぬ鱗があったものか、
竜騎士、えーっと名は、
「シンボリック様です!」
竜騎士シンボリック、数多くの大鯉が竜に変化せんと、
したをその槍で貫き倒したが、魚のうろこと、
根本が違うその鋼の鎧を前に突き通せぬ。
「なんと、なんとぉおっぉぉぉぉぉおお!!!???」
放たれた数九つを越え、
十本目の槍は最後の槍、
「くっ」
ちらと怯える群衆をみやる竜騎士シンボリックの眼に、
炎がともる、ついにかのトンベンマガスガトリクト、
その深き息、熱を帯びて、クシ王国をおびやかす。
「おやめください! 文士どの! そのような!!」
「ええい、やめるものか!
 一度、燃え始めた創作の火花!
 真剣勝負! 見届けるのだ!」
(はやく決着をつければよいものをぉぉぉ!!!!)
十本目の槍を低い姿勢で受け取り、かの、
トンベンマガスガトリクトの尾っぽの追撃を、
かいくぐって走る竜騎士は、息を切らして立ち向かう、
「うおぉぉおぉぉぉおおおおぉぉ!!!!」
渾身の一撃も竜の体躯、身の丈に響くものではなく、
やっとの想いで貫いた一撃は急所をおおきく外した!
「なんだと!!」
「なんと!!!」
トンベンマガスガトリクト、怒りの轟きを喉に響かせて、
咆哮する! 進撃する! 打ち崩す! 砦の残骸!!
「おのれ三文文士!! どちらの味方かぁあああ!!!」
「三文で雇ったのはどこの御仁かな?
 むしろ、そなたの命がまだあることの、
 方に掛けるほうとは違うのか?」
「下衆め!! この国難に金を要求するかああ!!!!」
トンベンマガスガトリクトは強い息をして、
一歩一歩と進みのしのしと大地を踏み固める。
「弱点を買うぞ!! 金を払う!! はやく言え!」
「尽きたヤリで弱点を? 命の算段をするのだな」
「くっ下衆! 馬をよこせ!!!」
敗走する竜騎士に今はもう力無い、
拳と剣ではかの竜を討ち果たすこと叶わぬか、
「さて、わたしも高みの見物を止めるか」
トンベンマガスガトリクトの進撃は続く。
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