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作者: 月緋ノア
残酷な描写あり R-15
それはいつかの言い伝え
お手に取っていただきかりがとうございます。
これより語られますは、いつか、いつかの星の物語。

幻想的な色彩に溢れた世界の物語、どうかご笑覧ください。
 その昔、はるか昔のお話です。
 わずかな時間ではありますが、遙かなる太陽シロスアンウルに食べられてしまったことがあるのです。
 ええ、世界に満ちるマナにとってそれはすなわち眠りの時、かくいえば冒涜の瞬間でございます。
 するとどうでしょう。あれよあれよという間に世界のすべてがぐらぐらとよろめいてしまいまして、混沌ばかりが蔓延る世界に早変わりしたのです。
 天変地異など何のその、大災禍が暴れ始めたのでございます。
 秩序を司る天使アンスール様は慌てふためき、混沌を愛する悪魔シェイフェル様ですら驚いてしまいました。
 はてさて唐突に訪れました淘汰の時間でございまして、世界に生きる生物たちの全てが選択の時を迫られました。
 生きるか死ぬか、それとも繋ぐか。
 かの長命なる種族も、短命ながらも力強い種族も、最果ての巨人たちですら、迫られたのです。
 未曾有の危機でございます。当然でございましょう。
 一向に姿を見せなかった第二創世の漂着者ですら、このことには嘆いたのです。
 ——こんなはずではなかったのだと。

 
 そんな折でございます。
 極彩色の翼と髪を持ち、金と銀の色彩を宿す瞳をした、それはそれは浮世離れな女性が舞い降りたのでございました。
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