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作者: トッキ―
残酷な描写あり
第20話 忌まわしき異能の力とDGの動き

「リシェル、すまないがバイクを止めてくれ」

 いきなりそう言われ、リシェルは急ブレーキをかけてバイクを静止させエレクとリールは思わず反動で前のめりになり驚いていた。

「ハーネイトさん!いきなりどうしたんですか?」

 リシェルは険しい表情を見せるハーネイトにバイクを止めさせた理由を聞こうとする。

「ああ。リシェル、銃のスコープで、道の前方約3キロ地点を見てもらえるか? 」

「了解しました、何かあるのですね。えーと、ん……」

 リシェルはライフル銃をサイドカーから取り出すと、スコープ越しに遠くを確認する。倍率を調整し、遥か先に飛んでいる何かを見つけた。それはドラゴン、いやワイバーンとよく呼ばれる翼竜が街道の上空をぐるぐると飛んでいる光景であった。

「リシェルさん、何かありますか? 」

「う、うわっ。これはトカゲ?ドラゴン?、羽が生えている。しかも数は12、いや15はいる。こちらの進行を邪魔するかのように、街道の上を飛んでいるぜ」

 リシェルがスコープ越しに翼竜を見た後、その翼竜についてハーネイトが説明する。リュジスの言っていた、翼竜とはこのことを指していた。

「リュジス爺さんの言ったとおりだ。恐らくゲルニグとその亜種だな」

 ハーネイトが言うゲルニグというこの翼竜は、全長10~15m程度、重量600kg程度の比較的大型の現住生物である。単体だけならば銃弾を数発打ち込めば倒せるのだが、このゲルニグは集団で連携して狩りをする特徴があり、1体をおとりに背後から数匹で音を立てず襲い掛かり、その鋭い足の爪でずたずたにする。 

 今回発見した集団は兎に角数が多い上に、ハーネイトが能力を用いて遠くから現場を確認するに、地上を通るものすべてに襲い掛かろうとする独特の飛行をしていた。下手に進めば、全員が食料コース直行になりうるだろうと彼はすぐに判断した。

「私も見たいです。さて……すごく、多いですね。故郷の星にはこんな生物いませんでしたよ。初めて見ました、本物のドラゴン。この星の生態系は不思議な感じがします」

「正確にはドラゴンというよりワイバーン系だが、まあ面倒なのが出てきたね」

 エレクトリールは、リシェルから銃を貸してもらいスコープ越しにそのゲルニグを確認した。そして故郷の星では見たことのない生物を目で見て興奮していた。

「しかし流石ですね師匠。言われなければ、直前まで気づかなかったっす。しかしこのままだと進めませんね。撃ち落としますか? 」

 リシェルは、ハーネイトの能力に感謝しながら、突破するために狙撃で撃ち落とすことを提案する。しかしハーネイトはこう提案する。 

「そうだな、だがなリシェル。ゲルニグの肉や翼は実は需要がある。むやみに傷つけるとだめだ。大魔法で仕留めると大体商品価値は0になるからねえ」

 並の戦士ならば、ゲルニグの前に成す術もなく、鎧すら貫く爪のひじき、いや餌食になるだろう。

 しかし彼は魔獣殺しの異名を持つ、対魔獣戦のプロフェッショナルである。そして彼の偉業の1つに、魔獣を利用した素材の有効利用というものがある。

 魔獣、現住生物の被害が広がる中、ハーネイトは魔獣退治の中で、倒した個体から既存のものよりも丈夫な素材、効果の高い薬用成分などを次々と発見し、それについて1つの図鑑を作成していた。
 
 その図鑑はあっという間に売れていき、次第にその話は広まっていった。そしていつからかそういった素材を積極的に買い取る業者や、加工業者も現れるようになったのである。 

 それが結果として各地の経済の活性化と、魔獣被害を間接的に減らすという功績になり、さらに風の噂で話題となって現在では1つの伝説となっているのであった。魔獣殺しと言う異名はそれが所以ともされる。

 そのためハーネイトは勿論ゲルニグの特徴をよく知っており、群れの中のボスを先に倒すと他の個体が激昂すること、かといって周りから倒そうとすればボスが一目散にこちらに向かってくるという習性を把握していた。これが一番の問題であった。

 自分1人だけなら突撃して無双するのも手だが、それにしても厄介なことに変わりがないため、基本的な対処法はまとめて一撃で集団を仕留めるというものに限られるという。

「私1人だけならば、突撃して剣術で無双してもいいのだが」

「私もやりますよ、狩りとかしてみたいです! 」

「気持ちはわかるが……ゲルニグは雷に強い、というか雷雲の中に住んでいるぐらいに耐性がある。それと、素材を狩るんだ。ここは2人にファンサービス、特別にしようかなと思う。任せてほしい」

 瞬時に目つきを鋭くし周囲の空気を切り裂くかのように周囲を見回して解決屋の表情に切り替わり、そうしてハーネイトはバイクの前に立つと目を閉じ、精神を集中させる。

「ファンサービス、一体何を? 」

 狙撃しようとしていたリシェルも、ハーネイトの姿を見て動きを止めた。あの程度の数ならば狙撃で1つずつ片付ければよいのにと思った彼は師匠の行動に疑問を抱く。

「私の剣技に酔いしれるといい」

 すると一旦ハーネイトの目が開き、目の色が変化する。右目は虹彩が虹のようにきらきらと光り、左目は瞳孔が開いたままになり、青・赤・緑の3つの円を頂点に、3角形を構成したものが瞳に浮かび上がる。そう、彼が持つ忌まわしく恐怖を覚える力を解放する。

「イメージするは、時、物、形。全てを裂く事象。目標確認、位置把握、範囲指定完了!斬滅せよ! 」

 ハーネイトは一瞬瞳を閉じた後、カッと開き、藍染叢雲を目に見えないほどのスピードで数回、その場で空気を乱れ斬るように刀を振るい、静かに納刀した。その動作と同時に、先にいた複数のゲルニグを翼と胴体にきれいに分けつつ、空間ごと断ち斬ったのであった。

 そう、彼の能力は見ただけでその対象、そして世界に対して干渉し思うがままに書き換える、または何かの変化を与えるものである。他にも違った能力を複数行使できるが、最も恐ろしいのがこれである。

 まだ完全ではないものの、本来人間ではとてもこの域まで達することはできず、神すらも軽く凌駕する力である。

 正確には、彼は目で見た世界を1枚のキャンバスとしてイメージ、脳内で自在に絵を描いたり、切り裂いたりするなど、加工してからそれを現実に反映させるその気になれば思いのままにできる何でも願いが叶いそうな感じの能力である。

 8歳の時にその力に気づいたハーネイトは、そのせいで孤独になったという。それが彼にとって暗い影を落としていた。そのため力を使う時は何か別の、そう思われても不自然ではないように行動を足して真の能力を悟られないように工夫していたのであった。それがその刀を振るう動作である。

 またこの経験が、魔法探偵として彼を大きく成長させたともいえた。魔眼や魔法で先に答えを導き出し、その過程を自身の足と知識で追い求めつつ、魔法を使っていないかのように見せることも彼はよく行っていた。未だに魔法や超常現象に対し恐れを抱く人は多いため、そういう人たちを安心させるために、彼は非常に気を使っていたのであった。

「はっ、がはっ……っ。久しぶりの大技だが、うまくできた。だけどしんどいね」

 ハーネイトは地面に膝をつくと、すぐに座り込む。能力を久しぶりに開放したはいいものの、燃費の悪さからか足元が少しふらついていた。

 この真の能力は使い続けることで、イメージ力がさらに磨かれ消費も減るのだが、この力自体の圧倒的かつあり得ない力に恐怖を覚えているハーネイトはこれをどこか受け入れられずほとんど使いたがらなったのである。

 それでも今回使用したのは彼の力を見ても動じず感動する2人に心を開いたのと、仲間を守りたいがためという事情があったのかもしれない。

 あまりの強力な性能に、普段は決して戦いで使用しないように決めている彼だが、そんな力を持った自分でも受け入れてくれるのかと思えばつい気が緩んでしまう。

 行動に少し後悔しつつも、ハーネイトは2人を見ながら軽く笑っていたのであった。

「ハーネイトさん、一体何を?翼竜が空中でバラバラになったのですが? 」

 リシェルはその光景をスコープ越しからよく見ていた。確かに、空中を弧を描くように飛行していたワイバーンたちが突然空中でバラバラになった場面をはっきりと脳内にとどめておいた。正直訳が分からない。彼の感想はそうであり、これがあの伝説をもたらしたのだなとそう考えていたのであった。

「私の剣技だ。魔法だけが私のとりえではない。綺麗に分けたから直ぐに回収だ、急げ。売りさばいて、豪華なご馳走を食べよう!」

「空間ごと斬っちゃうって。どう言うこと?まさかそれも魔法ですか? 」

「それは今度詳しく説明する。バイクを動かせ、素材を回収しにいくぞ2人とも! 」

「あいわかった!飛ばすぜ!しっかり掴まっていてくれよ」

 リシェルはハーネイトが後ろに乗ったのを確認し、バイクのアクセルを踏むと、バイクをかっ飛ばしてゲルニグがいた辺りまで進ませる。

 ゲルニグがいた辺りまで来ると、ハーネイトが心の中でイメージした通り、ゲルニグたちは地面に落ちてバラバラになっていた。不思議なのは斬撃により切断された部分から血がほとんど出ていないことである。

 ハーネイトは急いでバイクから飛び降りて、バラバラになったゲルニグの羽を集め、状態を再度確認したのち羽から先に魔法で小さくし、肉は素早く綺麗に解体していく。

「中々上質だ、……期待できそうだ」

 ハーネイトは上機嫌で、ペン型投げナイフを手に持ちながら、創金術(イジェネート)で刃先を延ばし鮮やかに解体する。鮮度を保つため胴体部分については血抜きも欠かさない。

 その光景は例えるならば即興で行うマグロやイノシシの解体ショーに通ずるものがある。問題はその光景について、耐性を持たないものが一人いたことである。

「リ、リシェルさんっひ、ひぃい!何かグロいんですけど!?ハーネイトさん解体早すぎです。吐きそう――」

 解体の光景を見たエレクトリールは、あまりのグロさに吐きそうになったのである。無理もない。解体シーンなど、見慣れていない人にとってその光景はつらいものがあった。それに対し、ハーネイトの爛々とした表情は全く対照的であった。

「エレクトリール、戦場でもっと恐ろしいものを見ているのでは? 」

「それとこれとはちがうんです――!うへえ、慣れているのですね、はああ」

「お、おう。しかしハーネイトさん、そのゲルニグ、ですか?集めてどうするんですか? 」

 彼の質問に対しハーネイトが肉を処理して、骨と肉をきれいに分けたり、部位ごとにまとめながら袋に詰め込みつつ陽気に説明する。

「ああ、ゲルニグは昔から羽を加工して、屋根やテントの材料とかに使われてるんだ。肉は栄養価が高く歩留まりがいいから人気が高いんだ。ただこのゲルニグは東大陸しか現状いないから、リシェルは知らないだろうけど。これは思わぬ収穫だ」

 ハーネイトがこうして、無駄のない解体を行えたり、部位ごとに使う用途について詳しいのも、幾多の魔獣を狩り続けてよく研究してきた証である。各地で材料を扱う商人たちも、ハーネイトが手に入れた材料が一番質が良く新鮮だと評判するほど、彼の仕事ぶりは真面目で丁寧だといえるだろう。

「知らなかった。しかし高値で売れるなら、資金についてはなんとかなりますか? 」

「まあ多少はね。いくら大資産家といっても、この先の復興費用とか考えれば少し不安が残る。またハントでもして稼がないと。危険な魔獣も減らせて、いいことづくめ」

「そうですね。この先色々とお金が必要でしょうし」

「一応俺も金はあるけど、稼げるときに稼いどかないとな」

「確かに、それにしても大量ですね。バイクに乗りますか?その袋とか。羽の束とか」

 綺麗に袋に小分けしても、どう見てもバイクに乗りそうにはない量、リシェルはこれをどうするのだと思っていた。

「大丈夫だ、問題ない」

 彼は肉や羽を魔法で圧縮して、小さくまとめたあと、袋に手を触れる。そうすると、次々に袋が瞬時に消滅する。

「あれ、あれだけあった袋が、全部なくなりました。それも、あの力ですか? 」

 エレクトリールの疑問に、ハーネイトが答える。もしかすると、どこかで自身と同じ血が流れているのではないか。その疑問が彼の力を見るたびに確信に変わっていく。

「ああ、そうだ。大丈夫だって、心配そうな目で見なくていい。いつでも取り出せる。昔から物に触れてイメージすると、それが消えたり現れたりするんだ。ユミロの召喚もそれを使っている」

 実はこの能力もハーネイトの能力の1つでもあるが、元を辿ればエレクトリールも同じ事ができる。「次元力」と言われるもので、世界と世界を行き来するための空間を認識できる人だけが行使できる力である。

 極めれば次元の狭間に物を直したり召喚したり、自らをその空間に飛ばし転移や攻撃回避などを行える万能型の能力である。彼が説明した物の収納術について、本人自身が頻繁に違和感を覚えている。

 何故ならば、一旦収納した物品や武器がどこに保管されているのか、正確な位置、座標がよく分からなかったのである。このことから、現在の状態ではハーネイトはまだ次元の存在について認識ができていない状態と推測される。

「はあ、そうですか…。ハーネイトさんが大丈夫というのでしたら、わかりました。事務所の時も器用に出し入れしていましたしね」

 エレクトリールはそう確認しつつ心の中で思っていることがあった。

「ハーネイトさんは私と同じ力を持っている可能性が高そうですね。しかし、次元を理解し、自在に何かを保管、召喚する能力は私たちテコリトル星人だけ。一体何者なんですかハーネイトさん」

 彼がそう考えるのも無理はなかった。自分たちだけにしか使えない技術をなぜ彼らは持っていて、行使できるのか。それがエレクトリールには理解できなかった。

「考え事か、エレクトリール」

「いえ、大丈夫です。ねえ、早く日之国に向かいましょうよ! 」

「ああ、早く日之国に向かうぞ」

「了解です。では」

 そうして3人は急いで日之国に向かったのであった。少し時間も押している。夜になれば面倒なことも起きやすくなる。それをハーネイトは熟知しており、リシェルにスピードを上げるように指示を出していた。



そのころDGサイドのほうで動きが見られた。ここは北大陸の中央部にあるDGの大拠点であり、20年ほど前にDGが来た際の拠点を改装し、魔女の力による結界で偽装していた五角形の、高さ20m程の白い建物である。

「これは一体どう言うことだ」

「いえ、例の霊宝玉につきましては回収の際に邪魔が入りまして、回収、確保ができなかったと部下から報告が上がりまして」

そしてある部屋の中で、1人の男がとてつもなく肥えた男に叱責されていた。怒鳴られているのはリンドブルクにフューゲルを差し向けたボガーノード、もう1人は上官にして技術徴収官のボノスという。

「貴様ぁ、上官の顔に泥を塗る気か?どうなるか覚悟はできておるだろうな? 」

「そ、それは」

ボノスがボガーノードに殴りかかろうとするのを、その部屋で花を眺めながら美しくも化粧の濃い男が声をかけてそれを止めた。

「まあまあ、落ち着きなさいボノス。それよりもその邪魔者が気になります、ね。フフフ。美しい人だと張り合いがいがありますがね。ボガー、私も出向きますよ」

「霊界力を持つ、あのセファス様に洗脳されたジュラルミンという男とひそかに協力し、機械兵の生産には成功したが、それを楽々に退ける輩がいるとはな」

「報告によればそのオリゴンを一撃で叩き斬っていたと言うことです」

麗人の名はシャックス・ファイオイネン・ヴァリエット、そして部屋の奥で紅茶をのみながら機械兵の話を切り出したのはカミオン・レクイップス・ヨーネスという。それに付随しボガーノードはその男についての報告を簡潔に行う。

「それほど強いのならば勧誘するのもありそうじゃなあ。フォッフォッホ、恐らくその男辺りが霊宝玉でも持っていそうだのう。あの宇宙人どもの秘宝をな」

「それを奪えばよいだけ、だ。あれがなければ別世界に行くだけの力が得られんからな。それに霊界人となった物にとって必要不可欠なアイテムだ」

「それならボノスよ、この星には古代人の超技術があるらしいとな」

「ほう、それはなんだ」

ボガーノードの報告を聞き豊かな白髭をさわりながら話を聞く老人は執行官のパラディウムという。そして、赤い上着を着て両腕が盛り上がっているやや色黒の、目付きの悪い男はミザイルという。ミザイルはボノスの話に対し次元を超えることについては別の方法で目的が達成できることを教えた。

「次元を融合し別の次元にいく技術ですよ」

「なんだ、それでいいじゃないか。至急技術徴収官と上級幹部はその捜索に当たれ。今回ばかりは戦争を起こすよりはそちらが優先じゃ。しかし宝玉の方も頼むぞい」

 パラディウムの声に部屋にいた幹部たちは外に出た。そのあとパラディウムはまだその部屋で茶をのみながら考え事をしていた。

「霊界人こそ、Vの一族こそ全てを統べるにふさわしい存在だ。あれの力をため込む低俗な人間どもなぞオベリスの予言を防ぐために蹂躙し抹殺してやるまで」

 意味深な独り言をつぶやいてから彼は、一息ついてからこれからどうするべきかを思案していた。

「それと、問題は研究者たちの間で不穏な動きがみられることじゃの。デモライズカードは能力者を増やすうえで重要だ。早めに手を打つか……」

DGは多くの国、星で戦争を引き起こし、兵隊や武器を売って利益を稼いでいた多星人の共同企業体であった。そして多くの人がこのDGを邪悪の根源としてみていた。

この共同体はできた当時は、全く異なる理念を掲げていたという。

 なんでもある脅威から逃げて来た者たちが集い、その脅威が生み出す存在を監視し討伐、あるいは捕獲するという形の組織を作っていたというが長い間に組織の中にも新たな風が吹き徐々に本質を変えていっていたという。

 それはリークトムとハインゼンと言う、アクシミデロからかなり遠く離れたアラヴィネット星の武器会社の参入により、組織内のバランスが崩れ、支配力を得た兵器屋集団はDGを支援してきた、されてきた人々を裏切り暴虐の限りを尽くしていた。

 また侵した星の人間を捕らえ兵士にしたり、用済みの星ごと地殻変動弾(ちかくへんどうだん)により跡形もなく消し去ったりと極悪非道な連中になり下がっていた。

 しかしそれも限界が訪れようとしていた。DGをつけ狙う白い男の存在と各星の抵抗勢力により多くの兵や工場を破壊されたと言う。

今回2度目の侵略に来たのは白い男や天神界からの追撃を逃れ、尚且つ別の世界で勢力を拡大するために別の次元に行く手段を探していたことと、以前の侵略の際に仲間に加わり、今では自身らを率いる魔女がその行く方法を知っており、もともとそこの民であったことから迅速に活動できると踏んで今回博打ともいえる強硬手段に出ていた。

 既にDGの総司令官、ガミルド・ホーキンスは白い男の攻撃により死亡しておりこのアクシミデロに来ているDGの幹部とそれを率いるゴールドマン、そして謎の魔女こそ、DGのすべてであった。

 またテコリトル星を侵略していた、別の宇宙人ことグロリア星人とDGの混成部隊もほぼ虫の息と化しており、パラディウムは腹を括っていた。

 全ては、霊界人こそが支配する世界を作り出すためであった。しかし、それらの生みの親であるとある存在は、世界を実質的に上書きして滅ぼそうとしていたのであった。

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