残酷な描写あり
R-15
金策にてラウディ山に行こう
それから俺達は町の冒険者ギルドにて登録手続きを終え、複数のクエストを受注し、その目的地の場所へ向かう事になった……。
ちなみに俺は宿屋でリュックに入っていた、冒険初期装備の緑の麻服上下に着替えている。
どうやら、女神様がリュックに入れてくれていた物は①金貨1枚②冒険初期装備の緑の麻服上下③始まりの町ファースト周辺地図だった模様……。
俺とレノアはその地図を頼りにユニコーンに跨り、大草原を軽やかにかけていく……。
爽やかな風が吹き抜け、ユニコーンの銀糸の鬣がまるで波のように揺れ、周囲の草木がさわさわと揺れているのがなんだかとても幻想的だ……。
「……ああ、なんだか風が心地よいな……」
「……そうだね……それにほら！ 草木の揺れる音がまたいいでしょ！ 僕これが好きなんだよね！」
確かに……聴覚効果ってやつかな？ なんだかとっても癒される……。
(社畜時代じゃ、こんなのんびりしてる時間も無かったし、ああ……なんかいいなあ……)
贅沢言わせてもらえるなら、この相棒がシスターだったら完璧であったし、俺は感激で涙流していただろうな……。
というか、そうなるともうそれはデートになるわけで……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル2】チャラ男道に少し近づく』
……なるほど、【チャラ男スタイル】は俺の邪な願望を考えると上がっていくのか……。
(……これ、果たして上げていいスキルなんだろうか？)
最もチャラ男道を貫き通すには上げるしかないのだろうけど。
それは置いておいて、レノアと一緒にいると何だか癒されるな……。
言葉使いも声もガキっぽいし、まるでちっこい子供、というかペットみたいに思える感覚だからだろうか……？
それに何だか、こいつ……昔俺が飼っていた小型犬に似ているんだよね。
愛くるしい笑顔がとても可愛らしくてさ……。
そんな事を考えていると、真正面にモコモコした白い何かが見えて来る……。
それは近づくと、か細い鳴き声が聴こえてくるではないか。
「見て！ 羊の群れだよ！」
「あ、なるほど……羊さんでしたか」
そのまま大量の羊の群れと出くわし、見えて来た羊飼いの青年に手を振るレノア……。
(ああ……そうなんだよ、こいつ誰に対しても愛嬌があるんだよなあ……)
そんなこんなで、数十分後……。
「……あ、杉尾！ そろそろ目的地のラウディ山に着くよ！」
「……お？ どれどれ？」
俺達は真正面に見えて来る、樹木が生い茂ったなだらかな斜面を登っていく。
「……なあ？ ここに来る途中モンスターが襲ってこないのは何故なんだ？」
さっきの羊もそうだが、今周囲に散見される鹿や猪も俺達に襲ってこない……。
「……え？ ああそうか、杉尾は転生者だからここいらの知識が無いんだったよね」
「うん、そう」
「ここいら田舎町ファースト周辺の大草原ファーストやラウディ山にはアクティブモンスターは生息出来ないんだ」
「……え？ そりゃまたどうして？」
「1番目の転生者の張った強力な結界が健在だからさ！」
「へー！ ちなみにその人なんて人？」
レノアは指を折ったてて得意そうに説明する。
「【勇者ファースト！】 伝説の魔法剣の使い手さ！ ちなみにあの田舎町に結界を張ったことから町の名前は……」
「まんまファーストか……なるほど町にはそんな歴史があったんだな……」
「ま、もう777年前の昔話だけどね……。あ、目的の場所ここいらだから降りるよ！」
「なるほど……よいしょっと」
俺はユニコーンから降り、周囲を見回す……。
(良く見ると、なんか青色の見たことない花が周囲に沢山咲いてるんですが……？)
その中に赤い花や黄色い花などもチラホラ見られる。
「なあ？ レノア……。もしかしてこの青い花全部……」
「そう！ 全部目的の薬草だよ！」
「……この赤い花は？」
「……毒消し草。あっと……毒があるんでそれは僕に任せてね」
(なるほど、【毒を持って毒を制する毒消し草か】……)
何気に俳句出来たけど……字余りにしてお粗末……。
「この稀に見る黄色……いや……金色の花は？」
「あっ！ それは大当たり！ これはね……」
レノアは金色の花を優しく引き抜き……ユニコーンの角にそっと巻く……。
見た所何やら特殊加工してるくさいけど……。
「なあ？ それ何なの？」
「ん？ えとね……エリクサーの材料になる希少な花。名前はゴールドリリー」
「えええ⁉」
エリクサー……確か最高クラスの回復アイテムにして希少で高価だった気がする……。
知識があるからこそ、出てしまう嬉しい悲鳴。
「も……もしかして加工すると、めちゃ高くなるやつ？」
「うん、そう！ 加工前の花で金貨1枚。加工後は金貨100枚かな？」
加工しなくても金貨1枚……あの町ならしばらく寝泊り出来る金額……。
(か、加工したら100倍？ お、おかしいだろ？)
「な、なあ？ な、何でそんなに違う？」
「この世界って、ユニコーンに触れる人が限られているからね。しかも加工の仕方を知っている人も希少だし」
「あ……だからエリクサーはもっと高いのか……」
「そう……ちなみにエリクサー１つで金貨1000枚ね……」
「す、すげっ！」
俺はその事実に驚いていたし、何故レノアがその知識があり、ユニコーンを従えているかにも興味が湧いてきた……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 努力により追加スキル会得 【チャラ男知識レベル1】金儲けの知恵を知る 頑張れチャラ男！』
(……いや、マジ勉強になる……)
それから数時間後……俺達は薬草などを俺の何でも入るリュックに詰め込み、田舎町ファーストの宿屋に向い帰宅中だったりする。
「沢山取れたな……」
「そうだね！ 何と言ってもゴールドリリーが取れたのは大きかったかな」
俺達はユニコーンに揺られ、まったりと会話中だったりする。
真正面には赤々とした太陽が沈みかけているのが見える。
「……あー運動したからお腹ペコペコだよ……」
「お前……あれだけ昼に食っててまだ入るの？ お前の胃袋マジでどうなってんだよ……たく」
まあ、なんにせよ腹も減ってきたし、丁度良かったなと俺は思う。
「なあ？ ゴールドリリーっていくつも取れる物なのか？」
「……あの山に１つあるか無いかの希少品なんだよね。それに……」
「何だ？ 何か条件があるのか？」
お金になるのが分かっているから、もし条件があるなら知っておきたい。
「あれって、運がいい人じゃないと見つけられないんだよね……」
「へ？ でも、レノアも見つけて採取していたじゃん？」
「……あれは杉尾が見つけて視認した後だからね」
(コイツ……やっぱ色んな専門の知識持ってるな……)
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男知識レベル2 金儲けの知恵アップ』
(だよな……うん、間違いない……)
「……そうか、ちなみにその運がいいかとかお前分るのか？」
「うん、何となくだけど。僕召喚士だしね……その手の勘はいいんだ！」
確かに冒険者ギルドでも職業欄に召喚士って記入していたしな。
「そうか……って、ん？ もしかしてこのユニコーンは……」
「そ、僕が召喚して使役している召喚獣。ね？ リギウム？」
レノアの声に反応し、軽くいななくユニコーンのリギウム……。
「なるほど……」
「あ、ちなみに今日は冒険者ギルドで換金はしないから」
「え？ 何で？」
「ゴールドリリーを加工するのに時間がかかるから」
レノアはユニコーンの角に巻いたゴールドリリーを見つめながら話す。
「ああ……じゃ、仕方ないな……」
そんな会話をしていると真正面に田舎町ファーストの街並みがうっすらと見えて来る……。
それから数十分後……。
食堂でたらふく飯を食った俺達は俺の部屋で、薬草等の加工作業を黙々とこなしていた……。
(うーん……この地味な作業、チャラ男のする仕事ではないと思うんだけど……)
「薬草は加工して全部ポーションかハイポーションにするから」
「ほい……ここに全部並べとくな」
「毒消し草は直接触るとダメだからね！」
「ほい、ゴム手袋はめて、そっちに並べておくな」
こんな感じで、2人で仕分けして加工をひたすらしていくこと数時間後……。
「ふう……あらかた終わったので、最後にゴールドリリーの加工をして終わるね……」
「は、はい……」
目の前には沢山のポーションや毒消しの薬が陳列されていた……。
(ま、まあ労働の成果ですね……)
ちなみにこれらは全部自分達用の道具として使う予定らしい……。
レノア曰く、どうせ冒険で使うし自給自足だとお金がかからないからとのこと……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男知識レベル3 金儲けの知恵アップ』
(だよなあ……すげえよマジで……)
俺達は宿屋の外の馬屋に移動することに。
「じゃ、いい時間になったし、ゴールドリリーの加工を始めるよ……」
……馬屋から覗くは闇夜とそれをうっすらと照らす満月の光……。
ユニコーンの角に巻かれ、満月の光を充分に浴びたゴールドリリーをジッと見つめるレノア……。
多分、なんか状態を見ている物と俺は予想する……。
分かりやすく例えるなら料理の火加減を見ているんではと……。
「……うん！ 十分に満月の光を吸って、ルナのマナで満たされているね……」
「お？ 加工出来るってことかい？」
「そう……これからは集中力使うから黙っていてね？」
「あ、ハイ……」
俺も金貨100枚の邪魔はしたくないので、黙っておくことにした……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル3】チャラ男道に少し近づく』
(……ハイ、ゲスイ思考ですいませんね……)
俺は海より深く反省した……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 努力により【チャラ男スタイルレベル4】から派生 光のチャラ男道に少し近づく』
(……は？ ひ、光のチャラ男？ 何それ？)
スキル派生は嬉しいが、ハッキリ言って意味が分からん……。
そもそも論で言うと、職業にチャラ男があるのも謎だけどな……。
俺は何やら不思議な呪文を唱え、満月の光を浴びているゴールドリリーに手をかざすレノアを見つめながら、一人物思いにふけっていた……。
ちなみに俺は宿屋でリュックに入っていた、冒険初期装備の緑の麻服上下に着替えている。
どうやら、女神様がリュックに入れてくれていた物は①金貨1枚②冒険初期装備の緑の麻服上下③始まりの町ファースト周辺地図だった模様……。
俺とレノアはその地図を頼りにユニコーンに跨り、大草原を軽やかにかけていく……。
爽やかな風が吹き抜け、ユニコーンの銀糸の鬣がまるで波のように揺れ、周囲の草木がさわさわと揺れているのがなんだかとても幻想的だ……。
「……ああ、なんだか風が心地よいな……」
「……そうだね……それにほら！ 草木の揺れる音がまたいいでしょ！ 僕これが好きなんだよね！」
確かに……聴覚効果ってやつかな？ なんだかとっても癒される……。
(社畜時代じゃ、こんなのんびりしてる時間も無かったし、ああ……なんかいいなあ……)
贅沢言わせてもらえるなら、この相棒がシスターだったら完璧であったし、俺は感激で涙流していただろうな……。
というか、そうなるともうそれはデートになるわけで……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル2】チャラ男道に少し近づく』
……なるほど、【チャラ男スタイル】は俺の邪な願望を考えると上がっていくのか……。
(……これ、果たして上げていいスキルなんだろうか？)
最もチャラ男道を貫き通すには上げるしかないのだろうけど。
それは置いておいて、レノアと一緒にいると何だか癒されるな……。
言葉使いも声もガキっぽいし、まるでちっこい子供、というかペットみたいに思える感覚だからだろうか……？
それに何だか、こいつ……昔俺が飼っていた小型犬に似ているんだよね。
愛くるしい笑顔がとても可愛らしくてさ……。
そんな事を考えていると、真正面にモコモコした白い何かが見えて来る……。
それは近づくと、か細い鳴き声が聴こえてくるではないか。
「見て！ 羊の群れだよ！」
「あ、なるほど……羊さんでしたか」
そのまま大量の羊の群れと出くわし、見えて来た羊飼いの青年に手を振るレノア……。
(ああ……そうなんだよ、こいつ誰に対しても愛嬌があるんだよなあ……)
そんなこんなで、数十分後……。
「……あ、杉尾！ そろそろ目的地のラウディ山に着くよ！」
「……お？ どれどれ？」
俺達は真正面に見えて来る、樹木が生い茂ったなだらかな斜面を登っていく。
「……なあ？ ここに来る途中モンスターが襲ってこないのは何故なんだ？」
さっきの羊もそうだが、今周囲に散見される鹿や猪も俺達に襲ってこない……。
「……え？ ああそうか、杉尾は転生者だからここいらの知識が無いんだったよね」
「うん、そう」
「ここいら田舎町ファースト周辺の大草原ファーストやラウディ山にはアクティブモンスターは生息出来ないんだ」
「……え？ そりゃまたどうして？」
「1番目の転生者の張った強力な結界が健在だからさ！」
「へー！ ちなみにその人なんて人？」
レノアは指を折ったてて得意そうに説明する。
「【勇者ファースト！】 伝説の魔法剣の使い手さ！ ちなみにあの田舎町に結界を張ったことから町の名前は……」
「まんまファーストか……なるほど町にはそんな歴史があったんだな……」
「ま、もう777年前の昔話だけどね……。あ、目的の場所ここいらだから降りるよ！」
「なるほど……よいしょっと」
俺はユニコーンから降り、周囲を見回す……。
(良く見ると、なんか青色の見たことない花が周囲に沢山咲いてるんですが……？)
その中に赤い花や黄色い花などもチラホラ見られる。
「なあ？ レノア……。もしかしてこの青い花全部……」
「そう！ 全部目的の薬草だよ！」
「……この赤い花は？」
「……毒消し草。あっと……毒があるんでそれは僕に任せてね」
(なるほど、【毒を持って毒を制する毒消し草か】……)
何気に俳句出来たけど……字余りにしてお粗末……。
「この稀に見る黄色……いや……金色の花は？」
「あっ！ それは大当たり！ これはね……」
レノアは金色の花を優しく引き抜き……ユニコーンの角にそっと巻く……。
見た所何やら特殊加工してるくさいけど……。
「なあ？ それ何なの？」
「ん？ えとね……エリクサーの材料になる希少な花。名前はゴールドリリー」
「えええ⁉」
エリクサー……確か最高クラスの回復アイテムにして希少で高価だった気がする……。
知識があるからこそ、出てしまう嬉しい悲鳴。
「も……もしかして加工すると、めちゃ高くなるやつ？」
「うん、そう！ 加工前の花で金貨1枚。加工後は金貨100枚かな？」
加工しなくても金貨1枚……あの町ならしばらく寝泊り出来る金額……。
(か、加工したら100倍？ お、おかしいだろ？)
「な、なあ？ な、何でそんなに違う？」
「この世界って、ユニコーンに触れる人が限られているからね。しかも加工の仕方を知っている人も希少だし」
「あ……だからエリクサーはもっと高いのか……」
「そう……ちなみにエリクサー１つで金貨1000枚ね……」
「す、すげっ！」
俺はその事実に驚いていたし、何故レノアがその知識があり、ユニコーンを従えているかにも興味が湧いてきた……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 努力により追加スキル会得 【チャラ男知識レベル1】金儲けの知恵を知る 頑張れチャラ男！』
(……いや、マジ勉強になる……)
それから数時間後……俺達は薬草などを俺の何でも入るリュックに詰め込み、田舎町ファーストの宿屋に向い帰宅中だったりする。
「沢山取れたな……」
「そうだね！ 何と言ってもゴールドリリーが取れたのは大きかったかな」
俺達はユニコーンに揺られ、まったりと会話中だったりする。
真正面には赤々とした太陽が沈みかけているのが見える。
「……あー運動したからお腹ペコペコだよ……」
「お前……あれだけ昼に食っててまだ入るの？ お前の胃袋マジでどうなってんだよ……たく」
まあ、なんにせよ腹も減ってきたし、丁度良かったなと俺は思う。
「なあ？ ゴールドリリーっていくつも取れる物なのか？」
「……あの山に１つあるか無いかの希少品なんだよね。それに……」
「何だ？ 何か条件があるのか？」
お金になるのが分かっているから、もし条件があるなら知っておきたい。
「あれって、運がいい人じゃないと見つけられないんだよね……」
「へ？ でも、レノアも見つけて採取していたじゃん？」
「……あれは杉尾が見つけて視認した後だからね」
(コイツ……やっぱ色んな専門の知識持ってるな……)
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男知識レベル2 金儲けの知恵アップ』
(だよな……うん、間違いない……)
「……そうか、ちなみにその運がいいかとかお前分るのか？」
「うん、何となくだけど。僕召喚士だしね……その手の勘はいいんだ！」
確かに冒険者ギルドでも職業欄に召喚士って記入していたしな。
「そうか……って、ん？ もしかしてこのユニコーンは……」
「そ、僕が召喚して使役している召喚獣。ね？ リギウム？」
レノアの声に反応し、軽くいななくユニコーンのリギウム……。
「なるほど……」
「あ、ちなみに今日は冒険者ギルドで換金はしないから」
「え？ 何で？」
「ゴールドリリーを加工するのに時間がかかるから」
レノアはユニコーンの角に巻いたゴールドリリーを見つめながら話す。
「ああ……じゃ、仕方ないな……」
そんな会話をしていると真正面に田舎町ファーストの街並みがうっすらと見えて来る……。
それから数十分後……。
食堂でたらふく飯を食った俺達は俺の部屋で、薬草等の加工作業を黙々とこなしていた……。
(うーん……この地味な作業、チャラ男のする仕事ではないと思うんだけど……)
「薬草は加工して全部ポーションかハイポーションにするから」
「ほい……ここに全部並べとくな」
「毒消し草は直接触るとダメだからね！」
「ほい、ゴム手袋はめて、そっちに並べておくな」
こんな感じで、2人で仕分けして加工をひたすらしていくこと数時間後……。
「ふう……あらかた終わったので、最後にゴールドリリーの加工をして終わるね……」
「は、はい……」
目の前には沢山のポーションや毒消しの薬が陳列されていた……。
(ま、まあ労働の成果ですね……)
ちなみにこれらは全部自分達用の道具として使う予定らしい……。
レノア曰く、どうせ冒険で使うし自給自足だとお金がかからないからとのこと……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男知識レベル3 金儲けの知恵アップ』
(だよなあ……すげえよマジで……)
俺達は宿屋の外の馬屋に移動することに。
「じゃ、いい時間になったし、ゴールドリリーの加工を始めるよ……」
……馬屋から覗くは闇夜とそれをうっすらと照らす満月の光……。
ユニコーンの角に巻かれ、満月の光を充分に浴びたゴールドリリーをジッと見つめるレノア……。
多分、なんか状態を見ている物と俺は予想する……。
分かりやすく例えるなら料理の火加減を見ているんではと……。
「……うん！ 十分に満月の光を吸って、ルナのマナで満たされているね……」
「お？ 加工出来るってことかい？」
「そう……これからは集中力使うから黙っていてね？」
「あ、ハイ……」
俺も金貨100枚の邪魔はしたくないので、黙っておくことにした……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 【チャラ男スタイルレベル3】チャラ男道に少し近づく』
(……ハイ、ゲスイ思考ですいませんね……)
俺は海より深く反省した……。
『①職業チャラ男スキルの内訳 努力により【チャラ男スタイルレベル4】から派生 光のチャラ男道に少し近づく』
(……は？ ひ、光のチャラ男？ 何それ？)
スキル派生は嬉しいが、ハッキリ言って意味が分からん……。
そもそも論で言うと、職業にチャラ男があるのも謎だけどな……。
俺は何やら不思議な呪文を唱え、満月の光を浴びているゴールドリリーに手をかざすレノアを見つめながら、一人物思いにふけっていた……。