残酷な描写あり
R-15
転生と新しい門出
「……おい、おいっ! ……しっかりしろっ!」
(ここは俺の職場……? 俺は確か職場の仮眠室で寝ていたハズだが……?)
何やら周囲が騒がしい……。
「く、くそっ! お前真面目過ぎるんだよ! どうして毎日17時間労働とか出来るんだよ! 馬鹿だよお前っ!」
(こいつは職場同僚の……えっとこいつ誰だっけな……?)
何故泣いているかがいまいちよくわからん……。
もう、思考能力が無いのが自分でも理解できる。
薄れる意識の中、真っ白な天井と薬品の強烈な匂いで少しだけ理解出来たことがある……。
ここが病院であり、俺は今死にかけているってことが……。
だから、こいつこんなに必死になって、なんていい奴なんだ……。
(名前知らないけど……)
俺はブラック企業で真面目に働き……いや働き過ぎてこのざまだ……。
おそらく過労による心臓麻痺……。
(もし……もし生まれ変わる事が出来たなら、俺は……俺……は……。自由気ままな生……活……を……し、そして……)
「ば、馬鹿野郎っ! し、死ぬなっ! お前が死んだら、誰があの案件を引き受けると思ってんだ!」
(こ、コイツ……それで、泣いてたのか……最低最悪……やな。そ、そして、こんな糞……野郎がいない職場もとい……場所に……行きたい……。もし……神が本当に……ああ……本当にいる……な……ら……)
…………。
……。
♢
……。
(ん? 何処だここは?)
俺は周囲を見回す……と、周囲は白。
白一色の不思議な空間に俺はいた……。
(これは……もしかして、あの世か……?)
「パンパカパーン! おめでとうございます! 貴方は777番目の白き魂!」
「え?」
その不思議な空間に彼女はいた……。
6枚の対なる純白の羽を持つ、金髪青目の絶世の美女……。
シルクで出来たと思われる白きドレスに身を包み、胸元に魅力的なYの字ラインを覗かせた彼女は俺を見ていた。
(一方俺の体が見えない……⁉ こ、これは一体?)
「お、俺の体が無いっ! な、何だこれはっ! それにアンタは誰だっ!」
「私はこの世界の管理者女神アステラ……」
「……アンタ自分で女神って恥ずかしくないのか?」
「う、うるさーい!」
(な、何でこの女神さんはいきなり切れているんだ?)
その証拠に、その可愛らしい顔はまるで熟したトマトの如く真っ赤っかだ。
いや、違う……知人から聞いた事がある……女性ってのはよくわからん事でガチ切れする俺達男とは別の生き物だってことを……。
何でも地雷ポイントを踏み抜くと切れるらしいが……。
(俺、女性と付き合ったことないのでそこんとこよくわからないんだよね……。なんにせよ、謝っておこうか……)
切れている理由は分からないが、喧嘩は良くないし争う気も無い……。
「あ、あのスイマセン……俺が悪かったです……」
「え? あ、うん……こちらこそゴメン」
何だか女神もしおらしくなっている状態だ。
(良かった……機嫌が直って、そしてこれで落ち着いて会話が出来るな)
「あの……スイマセン此処って何処ですか? そ、それに……俺の姿が見えないのは何故なんです?」
「えっとね、貴方は現世で過労死したの……。でも現世の真面目な行いが幸いして、貴方は魂だけの存在でこの世界アステラに召喚されたの!」
(そ、それでこの女神は777番目の魂とかって祝ってたわけか……)
納得した。
それに番号だけ聞くといい番号ではあるが……。
「お、俺はこれからどうなるんですか……?」
もし、ここが俗に言う天国なら、楽しいパラダイスが待っているハズだ……。
「あ、うん! 折角なんで貴方の強き魂を持って……」
「ス、ストップ!」
「え? 何?」
キョトンとしている女神を前に俺は次の言葉を述べる。
「魔王討伐する為に最強装備やらチート能力を授けるとかはなしでっ!」
「え、ええっ! な、何故そんな事知っているの?」
目を大きく見開き、しこたま驚いている女神様。
(仕事で帰宅した直後、疲れ果てて転生シリーズのアニメ沢山寝落ちするまで見てたとか言えんしな)
という事で、あんたら女神のやる事はもう決まってるし、あらゆるパターンが脳に叩きこまれているんだよっ!
(ブラック企業で鍛えられた分析力なめるなよっ(血涙)!)
最も今は体が無いので、この記憶は何処から来ているのかが知りたいってのがあるけどな!
「俺は……生まれ変わったら今度は異世界で自由を満喫したい……」
そう、魂が望むまま……生前作れなかった彼女も欲しいしね……。
「……いいわよ。望みなさい……せめて貴方がなりたい職業にさせてあげる」
女神アステラは両手を合わせ俺に向かって祈りを捧げる……。
「我儘言ってすいませんね女神様……」
俺は話しながら生前したかったことを色々考える……。
「いいのよ……どうせなるようにしかならないし、それに……」
「……それに?」
俺は女神が言いかけた内容が気になり、その詳細を聞こうとするが……。
俺の目の前は太陽光のように明るく……な……り。
……。
気が付くと、俺は頭上に太陽が昇る……大草原の真ん中に……い、いや……真正面に人気と町があるっ!
ふと町に向い走りながら考える俺。
(……さっきの女神との会話は夢だったんだろうか? その証拠に俺の体があるしね……)
服も上下黒スーツそのまんま……。
問題はここが職場でもないし、病院でもない事だ……。
(まあ、入ればわかるさ……あの街並みに……)
俺は駆け足で、掛けていくその町に俺の目的の何かがある事を信じて……。
(ここは俺の職場……? 俺は確か職場の仮眠室で寝ていたハズだが……?)
何やら周囲が騒がしい……。
「く、くそっ! お前真面目過ぎるんだよ! どうして毎日17時間労働とか出来るんだよ! 馬鹿だよお前っ!」
(こいつは職場同僚の……えっとこいつ誰だっけな……?)
何故泣いているかがいまいちよくわからん……。
もう、思考能力が無いのが自分でも理解できる。
薄れる意識の中、真っ白な天井と薬品の強烈な匂いで少しだけ理解出来たことがある……。
ここが病院であり、俺は今死にかけているってことが……。
だから、こいつこんなに必死になって、なんていい奴なんだ……。
(名前知らないけど……)
俺はブラック企業で真面目に働き……いや働き過ぎてこのざまだ……。
おそらく過労による心臓麻痺……。
(もし……もし生まれ変わる事が出来たなら、俺は……俺……は……。自由気ままな生……活……を……し、そして……)
「ば、馬鹿野郎っ! し、死ぬなっ! お前が死んだら、誰があの案件を引き受けると思ってんだ!」
(こ、コイツ……それで、泣いてたのか……最低最悪……やな。そ、そして、こんな糞……野郎がいない職場もとい……場所に……行きたい……。もし……神が本当に……ああ……本当にいる……な……ら……)
…………。
……。
♢
……。
(ん? 何処だここは?)
俺は周囲を見回す……と、周囲は白。
白一色の不思議な空間に俺はいた……。
(これは……もしかして、あの世か……?)
「パンパカパーン! おめでとうございます! 貴方は777番目の白き魂!」
「え?」
その不思議な空間に彼女はいた……。
6枚の対なる純白の羽を持つ、金髪青目の絶世の美女……。
シルクで出来たと思われる白きドレスに身を包み、胸元に魅力的なYの字ラインを覗かせた彼女は俺を見ていた。
(一方俺の体が見えない……⁉ こ、これは一体?)
「お、俺の体が無いっ! な、何だこれはっ! それにアンタは誰だっ!」
「私はこの世界の管理者女神アステラ……」
「……アンタ自分で女神って恥ずかしくないのか?」
「う、うるさーい!」
(な、何でこの女神さんはいきなり切れているんだ?)
その証拠に、その可愛らしい顔はまるで熟したトマトの如く真っ赤っかだ。
いや、違う……知人から聞いた事がある……女性ってのはよくわからん事でガチ切れする俺達男とは別の生き物だってことを……。
何でも地雷ポイントを踏み抜くと切れるらしいが……。
(俺、女性と付き合ったことないのでそこんとこよくわからないんだよね……。なんにせよ、謝っておこうか……)
切れている理由は分からないが、喧嘩は良くないし争う気も無い……。
「あ、あのスイマセン……俺が悪かったです……」
「え? あ、うん……こちらこそゴメン」
何だか女神もしおらしくなっている状態だ。
(良かった……機嫌が直って、そしてこれで落ち着いて会話が出来るな)
「あの……スイマセン此処って何処ですか? そ、それに……俺の姿が見えないのは何故なんです?」
「えっとね、貴方は現世で過労死したの……。でも現世の真面目な行いが幸いして、貴方は魂だけの存在でこの世界アステラに召喚されたの!」
(そ、それでこの女神は777番目の魂とかって祝ってたわけか……)
納得した。
それに番号だけ聞くといい番号ではあるが……。
「お、俺はこれからどうなるんですか……?」
もし、ここが俗に言う天国なら、楽しいパラダイスが待っているハズだ……。
「あ、うん! 折角なんで貴方の強き魂を持って……」
「ス、ストップ!」
「え? 何?」
キョトンとしている女神を前に俺は次の言葉を述べる。
「魔王討伐する為に最強装備やらチート能力を授けるとかはなしでっ!」
「え、ええっ! な、何故そんな事知っているの?」
目を大きく見開き、しこたま驚いている女神様。
(仕事で帰宅した直後、疲れ果てて転生シリーズのアニメ沢山寝落ちするまで見てたとか言えんしな)
という事で、あんたら女神のやる事はもう決まってるし、あらゆるパターンが脳に叩きこまれているんだよっ!
(ブラック企業で鍛えられた分析力なめるなよっ(血涙)!)
最も今は体が無いので、この記憶は何処から来ているのかが知りたいってのがあるけどな!
「俺は……生まれ変わったら今度は異世界で自由を満喫したい……」
そう、魂が望むまま……生前作れなかった彼女も欲しいしね……。
「……いいわよ。望みなさい……せめて貴方がなりたい職業にさせてあげる」
女神アステラは両手を合わせ俺に向かって祈りを捧げる……。
「我儘言ってすいませんね女神様……」
俺は話しながら生前したかったことを色々考える……。
「いいのよ……どうせなるようにしかならないし、それに……」
「……それに?」
俺は女神が言いかけた内容が気になり、その詳細を聞こうとするが……。
俺の目の前は太陽光のように明るく……な……り。
……。
気が付くと、俺は頭上に太陽が昇る……大草原の真ん中に……い、いや……真正面に人気と町があるっ!
ふと町に向い走りながら考える俺。
(……さっきの女神との会話は夢だったんだろうか? その証拠に俺の体があるしね……)
服も上下黒スーツそのまんま……。
問題はここが職場でもないし、病院でもない事だ……。
(まあ、入ればわかるさ……あの街並みに……)
俺は駆け足で、掛けていくその町に俺の目的の何かがある事を信じて……。