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作者: 金星タヌキ
R-15
part Aki 10/17 am 11:17



 ……星占いは総合4位。

 
 でも どうやら 星占いは 大外れで 人生最悪の誕生日ってゆー予感の方が正解だったらしい。
 
 まずは さっきの男言葉。
 ママがツマンないこと言うもんだから つい いつもの口調で怒鳴ってしまった。痛恨のミス。こんのさん ドン引き。今日は 1日ママの前でも〈あき〉でいく。ポーカーフェイスで ウヤムヤにしてしまおう。一応 その方向で対応するのは いいとしても 手痛い失点で 下手すると明日以降も引きずるかも…。……運気を逃がす大ポカだ。

 

 ……そして 2つ目。

 
「ねぇ。着てみて?」


 こんのさんが 期待に満ちた眼差しで こっちを見ている。
 ボクの前には オリーブグリーンのエプロンドレス。部屋に着いた こんのさんが 大きなカバンから取り出したのは 例のエプロンドレスだった。ファッションショーは まだ先なのに ボクの誕生日に合わせて 作ってきてくれたんだ。凄くビックリしたし 嬉しかった。しかも お揃いコーデしたいってゆーボクが前に言ったお願いも覚えててくれて こんのさん分も間に合わせてきてくれた。 無理してくれたのは 申し訳ない気持ちになるけど でも ボクのために頑張ってくれたんだって思ったら ホントに感動した。最高の誕生日プレゼントだ。

 
 ……だけど そこからが いけなかった。
 隣の部屋で着替えてきますねって言ったら『最後のフィッティングできてないから 着替え手伝うよ』って ニッコリ。そんなこと言われたら断れない。なんてったって〈女の子同士〉なんだから…。こんのさんはカバンから 大きな裁縫ケースを出して まち針やらナニやらニコニコしながら準備している。もう逃げ場は なかった。スッゴく恥ずかしかったけど 何も素っ裸になるワケじゃない。覚悟を決めて トレーナーを脱ぐ。さっさとブラウスを着て エプロンドレスを身に纏ったらいいだけのハナシ。ジーンズもサッと下ろし ブラウスに手を伸ばす…。

 
「あっ そーだ。あきちゃん 着替えるの ちょっと待って。ちょうどいいし クレリック用に採寸させてよ。ゴメン。ちょっと寒いかもだけど そのカッコで 少しだけ待ってて……」


 そう言うと こんのさんは 裁縫ケースから巻き尺を取り出す。


「いや さぁ…。やっぱクレリックシャツって 身体にピタッと合ってる方が絶対カッコいいし キチンと採寸しなきゃいけなかったんだけど…。 なかなか時間とれなくて…。ゴメンね。こんな泥縄になっちゃって…」


 首周り 肩幅 腕の長さ。巻き尺を当てては ノートに数字を書き入れていく。数字を読むとき こんのさんの顔が近づいてきて微かに体温を感じる。そして 息がかかる。それがスゴく生々しくて 女の子に身体見られてるって感じがして たまらなく恥ずかしい。


「あきちゃんって ホント 色白いし 肌もキレイだよね。細いし。あっ 次 腕上げてくれる? バスト測るし」

 
 そんなこと言いながら こんのさんは ボクのトップバストとアンダーバストを測り ノートに記録する。測ってるときに こんのさんの手が ボクの胸に当たって 恥ずかし過ぎて涙が出そうになるけど ポーカーフェイス。だって 採寸してもらってるだけだもんな。もう 完全に被害妄想なんだけど こんのさんが ボクの身体を隅々まで 眺め回してる気がして 辛くて辛くてしょうがなかった。


「また 今度 なんか作れるかもしれないし 腰から下も測らせといてね」


 ……ううっ。
 まだ 続くのか。辛い気持ちでいっぱいだけど こんのさんは ボクの気持ちには気づかない様子で 楽しそうに作業を続けている。……そう。こんのさんに悪気は無い。〈女の子同士〉で採寸してるだけ…。
 ………。
 ……。
 …。


            to be continued in “part Kon 10/17 am 11:35”





 
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