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作者: 金星タヌキ
R-15
part Aki 5/17 am 4:17



 
 突然 世界がグニャリと歪み 脳が覚醒し始め 自分が夢を 見ていたことに気付く。

 ちゃんとした〈男の子〉だってゆー夢。

 目を開けると いつものボクの部屋だった。
 もちろん 身体は 女の子。でも 手や股間に 生々しい感覚が残っている。頬に触れたブレザーのザラザラした触覚。汗の混ざった こんのさんの匂い。指先の濡れた感覚。そして オチンチンの先っぽが 下着に擦れた痛いほどの実感。それは オチンチンなんてカワイイもんじゃなく『ぺニス』って呼ぶのが相応しい肉の塊。

 でも ほんのさっきまで 現実だって思っていたことは すべて幻。
 灯りの消えたシーリングライトが見える。見慣れたボクの部屋の光景。指の間から砂がこぼれるように 感覚の確かさが 失われていく。股間に存在していたボクのぺニス・・・・・・の感覚は みるみるあやふやで不確かなものになり うまく思い出せなくなってしまう。確かに 股間には 勃起したぺニスがあったって 記憶だけが残る。

 
「……最低の夢だったな」
 

 声に出して言ってみる。
 本当に最低の気分だった。痴漢する夢なんて初めてだったし その相手がこんのさん。しかも こんのさんが 痴漢されて悦ぶとか…… 妄想にしても ホント 最低。人として最低のレベル。なんてゆーか 自分の潜在意識の中に あんな願望があるってこと自体にヘコむ。

 こんのさんをネタにオナニーしないなんてカッコつけるんじゃ無かった。願望が屈折して トンデモな夢 見て 自分の暗黒面に気付くハメになるなんて。そう。痴漢してるときの 強烈な高揚感は まだ 心臓あたりに微かに残っている。どうやら抵抗できない女の子に卑劣な行為をして悦ぶサディスティックな一面がボクには あるらしかった。こんのさんの涙を浮かべた痴態を思い返すだけで あの興奮が甦りそうになる。
 認めたくはないけど どーも そーゆーことらしい…。

 こんなことなら素直に 時々 発散してた方が まだマシだった……ホントにうんざりする。


 股間の辺りに不快な違和感を感じる。
 どうやら 下着が濡れているらしい…。パンツのクロッチに 触れると指にべっとりと濡れた感触。〈あき〉も あの夢で興奮してたのかと思うと いよいよ やるせない気持ちになる。いや……違う。この匂いは 愛液じゃない。
 
 ……血の匂いだ。

 読書灯で指先を照らす。中指が赤く染まっている。
 うげ… 予想より早く生理が来たのか?

 ……ヤバい。

 まだだと思ってたからナプキンつけて無い。
 あわてて部屋の灯りをつける。思った通り 下着はおろか パジャマとシーツにまで生理血がついていた…。マジに最低最悪。運気は ドン低だ。
 星占い 見るまでも無い……。
 …………。
 ………。
 ……。


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 第2章の終わりまで 読んでいただきありがとうございます。

お互い意識はしてるけど。 それが 恋なのか?友情なのか?それとも ただの欲情か?
まだ 2人の中でも 混沌としているのだろうと思います。
これから 一緒に過ごす時間が増えれば 整理できてくるのでしょうか?

第3章は2人がお買い物デートします。
楽しんでいただければと思います。


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                        to be continued in “Chapter 3:Seven Sea's Treasure”




 
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