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作者: 三毛猫 未異美♪
美鈴、宿屋でケンカが始まりそうです
数時間前のこと……。ノウマンの宿屋のロビーでヴァウロイとゴルイドとライルが美鈴とエリュードを待ちながら話をしているとそこにリブルが現れて……。
 数時間前のこと。――ここはノウマンの宿屋。
 
 ヴァウロイとライルとゴルイドは宿屋のロビーで、エリュードと美鈴がくるのを話をしながら待っていた。
 
「ホントに遅いなぁ。いったいあの二人、何をやっているの?」
 
 ライルは椅子に逆向きで座り、 両腕を組み乗せ背もたれに寄りかかりながら話をしている。
 
「確かにな。まさか!? 二人きりでどこかで!」
 
「ゴルイドそれは、って!? 誰かコッチにくるのニャ」
 
 ヴァウロイは見つかるとまずいとおもい姿を消した。
 
「おい! って。消えやがった。だが、いったい誰だ?」
 
 ゴルイドは辺りをぐるりと見回してみる。
 
「ヴァウロイが姿を消したってことは、エリュードと美鈴じゃないとおもう」
 
 ライルはそう言い席を立ち警戒しながら周囲に目を配った。
 
 すると宿屋の奥のほうからコッチに向かってくる、緑色の髪をした細身のハーフエルフの男性は徐々に姿をあらわす。
 
「これは珍しいですね。ゴルイドがこんなところにいるなんて。それに、こんなキレイな女性と一緒とは」
 
 リブルはライルに近づこうとした。
 
 
 このハーフエルフの男性は、リブル・ラインへルンと言い。ヒューマンとエルフのハーフである。
 
 コルクスイ国の貴族、ラインへルン公爵家の次男だ。だが貴族の暮らしが嫌で家を出て、冒険者になり賞金を稼いでいる。
 
 ゴルイドとは正反対の性格のためか、まったくそりが合わない。そのせいで会うと必ずケンカになってしまう。
 
 
「リブル。まさか、おめぇがここにいるとはな。誰かを追って、ここに来たのか?」
 
 そう言いゴルイドは、鋭い眼光でリブルに視線を向ける。そしてリブルの行く手をさえぎった。
 
「ほう、ゴルイド。あなたらしくありませんねぇ。女性をかばうようなしぐさをするとは」
 
 リブルはそう言いゴルイドを見くだした表情をする。
 
「ゴルイド。まさかリブルって! あの双剣使いのリブルなの?」
 
 ライルはそう言い後退りした。
 
「これは。こんなキレイな方に、私の二つ名を覚えていただけているとは光栄です。さてと、ゴルイド。そこを、どいてもらえませんでしょうか?」
 
 そう言いリブルは、異空間のケースから細身の剣を素早く出すとゴルイドに向ける。
 
 ゴルイドは即座にそれをよけた。すると、ライルをかばうように後退りする。
 
 そして、小さめのバトルアックスを異空間のケースから取り出し構える。
 
「リブル。ライルちゃんには近づくんじゃねぇ! 指一本でもふれてみろ。容赦しねぇからな!」
 
 そう言いゴルイドは、獣のような鋭い目つきでリブルをにらみつけた。
 
「ゴルイド!」
 
 男性にここまで優しくされたことがないライルは、どうしたらいいか分からず戸惑いをあらわにする。
 
「ぷはっ、ライルちゃんって。おいおいゴルイド。女性に対して、ちゃん付けはどうかとおもいますがねぇ。ですが、ちょっと待ってください」
 
 リブルはライルを品定めするような目でみた。
 
「うむ。ダークエルフでライル。まさかとはおもいますが。もしやあなたは、あの黒い悪夢と言われている。ライル・ダヴィス嬢ではありませんか?」
 
「だとしたら、どうするつもり?」
 
 ライルはリブルを警戒しながら後ろにさがる。
 
「なるほど。まさかライル嬢が、これほどまでに美しい方とは存じませんでした」
 
 リブルは笑みをかすかに浮かべると、ライルに近づこうとした。
 
 ゴルイドはそれをみるなり、瞬時にバトルアックスをリブルの目の前に振り下ろす。そして、リブルの行く手をさえぎった。
 
「ライルに近づくんじゃねぇ、って言ったはずだ!」
 
「フッ、面白い。やるなら受けて立ちますよ」
 
 そう言いリブルは、ゴルイドから視線をそらさずに警戒しながら、細身の剣から双剣に交換する。
 
 それを見た泊まり客は、これはまずいとおもい宿の者に知らせた。その宿の者は、泊まり客のリストをみると驚きノウマンにこのことを知らせる。
 
 知らせを聞いたノウマンは、宿の者から泊まり客リストを受け取り確認した。
 
 (なんてことだ! よりにもよって、リブルとゴルイドが俺の宿屋に泊まってやがる。どちらか片方ならどうにでもなる。だが、二人とはなぁ。
 それも運悪く鉢合わせしてしまった。おそらく、俺の手には負えないだろう。そうなると、ギルドに頼むしかない)
 
 そう思いノウマンは、宿の者に至急ギルドに行き依頼をしてくるように伝える。そう言われ宿の者は、急ぎギルドへと向かった。
 
 それを確認するとノウマンは、ゴルイドとリブルがいるロビーのほうへと向かい歩きだす。
 
 そしてその後ノウマンはロビーに着くなり、深いため息をつき、うなだれるように床に座り込んだ。
 
 (これはなんてことだ! あの二人をはやく止めなければ。いや待て、ゴルイドのそばにいるあの女はまさか。
 そういえばリストに。……やはりライル。これは一刻もはやくなんとかしないと宿が崩壊してしまう)
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)

『皆さん、いつもありがとうございますo(^▽^)o』…by,作者
『ウチからもよろしくお願いします! って今回は、なんでウチの話じゃないのかな?』…by,美鈴
『どうしても、今回こっちの話を進めないとストーリーが噛み合わなくなるんだよねぇ』…by,作者
『あっ! そっかこの後ウチとエリュードがくるってことだね(^ω^)』…by,美鈴
『すんなりいけばだけどねσ(^_^;)……』…by,作者
『ジィィ──(。¬д¬。)──ッ……』…by,美鈴

と、いう事で……では次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
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