第2話 バケモノッッッッッ!!!!! 16 ―ボッズーからの通信―
16
「セイギ!!!」
……ボッズーの声だ。セイギがボッズーを呼ぶ前に、ボッズーの方から通信が届いた。
その声は荒れている。どうやら、嬉しい知らせを届けてはくれなさそう。
「セイギ! セイギ!! 大変なんだボズ!!」
「た……大変? どうしたボッズー! 何かあったか!!」
「何かもなにも! なんか気持ち悪いんだボッズー!!」
「き、気持ち悪い??」
腕時計の文字盤から浮かび出たボッズーの顔は、大分焦っている様子。だからか、言葉が端的過ぎて、セイギには意味が分からなかった。
「そうなんだ、そうなんだよボッズー!! ミルミルミルネで見てたら、おかしな物を見付けたんだボズ!」
「おかしな物? 何だよそれ?!」
「おかしな物はおかしな物だよ! だから来てみたんだけど、やっぱり服だけ! 服だけあって、人が居ないんだボズ!!」
「ふ、服だけ? お……おい何言ってんだ?! 意味分かんねぇよ、ちゃんと話せ! つか、今お前何処に居んだよ? 場所を教えてくれ!」
「場所……あぁ、そっか!」
今のボッズーの頭の中を開いて見てみたら、きっとハチャメチャな状態になっているのだろう。しかし、そんなハチャメチャにする何かをボッズーは見付けたんだ。その事を考えるとセイギも焦ってきた。自然と貧乏ゆすりの様に足が動き出す。
「……えっーとね、どうしよう。見付けたらすぐに降りてきちゃったボズからな……地上からで考えると、えーっと……」
空で見付けたその場所を地上にいるセイギに説明するのは、今のボッズーには凄く難しい事になっているみたいだ。
「なんだよ……」
セイギはこの"事を進めさせないやり取り"が歯痒く感じた。だから言葉も荒くなる。
「だから……『何か見付けたらすぐに連絡しろ!』って言ったろ!」
……だが、ボッズーに言葉をぶつけてみて思い出した。自分も勇気の母を見付けた瞬間に無我夢中で走り出していた事を。
「あっ! あぁ……そっか、俺も一緒だ……」
「ん? 何ぃボズ?」
「え? あ……いやいや、詳しくは後で説明するよ。それより、怒鳴ってごめん。なぁボッズー、何か近くに目印とかは無いのか?」
「目印ぃ? う~む……分からんボズ! どこも木ばっかだよ!」
困った顔をしたボッズーの顔のビジョンが、文字盤の上でキョロキョロと動いた。
「町の中じゃないから目印って言われてもボズ……」
確かにその通りだ。でも、
「あぁ~~ちょっと待って! 目印! 目印ぃ……あぁ! あったかも!! そうだよな?間違ってないよな? うん! うん! うん!」
ボッズーは何やら自問自答をしたかと思うと自分一人で納得した。
「セイギ、戻ってこい! さっきの道! 戻ってこいボッズー!!」
「戻ってこい? ど、どういう……」
「良いから来いってボッズー! さっきパトカーの近くでカラーコーン見たろ? アレと同じのが俺の目に映ってるんだ!」
「じゃあ、あそこの近くって事か?」
「うん! 多分、一個だけ転げ落ちたんだボッズー!」
「転げ……落ちた? まぁ良いや、兎に角さっきの場所に戻れば良いんだな?」
「そうだボッズー! 早くしろ!!」
そう言い残すとボッズーは一方的に通信を切ってしまった。
「お……おいって! はぁ、何が何だか結局分かんなかったな……」
そうボヤキながらセイギは再び勇気の母の顔を覗き込んだ。
「おばちゃん、ごめん。ちょっと待っててね。病院にはすぐに連れてくからね」
勇気の母の眠る顔にそう呟くと、セイギは林道に投げた大剣を再び手にして、パトカーを見付けた場所まで急いだ。
「セイギ!!!」
……ボッズーの声だ。セイギがボッズーを呼ぶ前に、ボッズーの方から通信が届いた。
その声は荒れている。どうやら、嬉しい知らせを届けてはくれなさそう。
「セイギ! セイギ!! 大変なんだボズ!!」
「た……大変? どうしたボッズー! 何かあったか!!」
「何かもなにも! なんか気持ち悪いんだボッズー!!」
「き、気持ち悪い??」
腕時計の文字盤から浮かび出たボッズーの顔は、大分焦っている様子。だからか、言葉が端的過ぎて、セイギには意味が分からなかった。
「そうなんだ、そうなんだよボッズー!! ミルミルミルネで見てたら、おかしな物を見付けたんだボズ!」
「おかしな物? 何だよそれ?!」
「おかしな物はおかしな物だよ! だから来てみたんだけど、やっぱり服だけ! 服だけあって、人が居ないんだボズ!!」
「ふ、服だけ? お……おい何言ってんだ?! 意味分かんねぇよ、ちゃんと話せ! つか、今お前何処に居んだよ? 場所を教えてくれ!」
「場所……あぁ、そっか!」
今のボッズーの頭の中を開いて見てみたら、きっとハチャメチャな状態になっているのだろう。しかし、そんなハチャメチャにする何かをボッズーは見付けたんだ。その事を考えるとセイギも焦ってきた。自然と貧乏ゆすりの様に足が動き出す。
「……えっーとね、どうしよう。見付けたらすぐに降りてきちゃったボズからな……地上からで考えると、えーっと……」
空で見付けたその場所を地上にいるセイギに説明するのは、今のボッズーには凄く難しい事になっているみたいだ。
「なんだよ……」
セイギはこの"事を進めさせないやり取り"が歯痒く感じた。だから言葉も荒くなる。
「だから……『何か見付けたらすぐに連絡しろ!』って言ったろ!」
……だが、ボッズーに言葉をぶつけてみて思い出した。自分も勇気の母を見付けた瞬間に無我夢中で走り出していた事を。
「あっ! あぁ……そっか、俺も一緒だ……」
「ん? 何ぃボズ?」
「え? あ……いやいや、詳しくは後で説明するよ。それより、怒鳴ってごめん。なぁボッズー、何か近くに目印とかは無いのか?」
「目印ぃ? う~む……分からんボズ! どこも木ばっかだよ!」
困った顔をしたボッズーの顔のビジョンが、文字盤の上でキョロキョロと動いた。
「町の中じゃないから目印って言われてもボズ……」
確かにその通りだ。でも、
「あぁ~~ちょっと待って! 目印! 目印ぃ……あぁ! あったかも!! そうだよな?間違ってないよな? うん! うん! うん!」
ボッズーは何やら自問自答をしたかと思うと自分一人で納得した。
「セイギ、戻ってこい! さっきの道! 戻ってこいボッズー!!」
「戻ってこい? ど、どういう……」
「良いから来いってボッズー! さっきパトカーの近くでカラーコーン見たろ? アレと同じのが俺の目に映ってるんだ!」
「じゃあ、あそこの近くって事か?」
「うん! 多分、一個だけ転げ落ちたんだボッズー!」
「転げ……落ちた? まぁ良いや、兎に角さっきの場所に戻れば良いんだな?」
「そうだボッズー! 早くしろ!!」
そう言い残すとボッズーは一方的に通信を切ってしまった。
「お……おいって! はぁ、何が何だか結局分かんなかったな……」
そうボヤキながらセイギは再び勇気の母の顔を覗き込んだ。
「おばちゃん、ごめん。ちょっと待っててね。病院にはすぐに連れてくからね」
勇気の母の眠る顔にそう呟くと、セイギは林道に投げた大剣を再び手にして、パトカーを見付けた場所まで急いだ。