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作者: ビーグル
第1話 少年とタマゴ 10 ―寄り道?どうぞどうぞ―
 10

「あぁ~! まっぶしぃ……」

 空に燃える太陽の光が、ルームミラーに反射して少年の目をくらませた。
 結局男は少年があげたアンパンを食べる事はなかった。

 あれから暫くして、少年たちの乗る車は輝ヶ丘に向かって国道へと入った。
 この国道を抜ければ、目的地の輝ヶ丘に着く。

「へへ……そろそろっすね!」

 少年はまだチカチカする目を擦りながら男に向かって言った。

「そうだな……」

 男は少年に空返事で答えると、30分程前に寄ったコンビニで買ったボトルコーヒーの最後の一口を口に含んだ。

「あのさ……ちょっと、ごめんなんだけど、寄り道してもいいかな?」

「え? 寄り道ですか?」

「あぁ、ちょっと……すぐそこなんだ、そんなに時間はかからないからさ」

「えぇ、別に構わないですけど」

 男の突然の頼みに少年がケロっとした様子で答えると、男は車を脇道へと進めた。
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