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発生源の解と怪
泪は厄災の発生源を突き止めるために能力を発動させるが……。
 私は見極めスキルレベル3を確認した。その後、行動に移す。
 
「じゃあ、やるね」
 
 そう言い右手を翳した。
 
 グレイとメーメルは私をジーっとみている。緊張してきた。
 
 
 大丈夫、だよね。ちゃんと分かるの? でも、やってみなきゃそれも分からない。……そうだ【遠距離サーチ】も使ってみよう。多分、広範囲のことを調べられるはず。
 
 
 そう思い自分の手元を見据える。
 
 《遠距離サーチ!!》《見極めレベル3!!》
 
 そのあと……。
 
「厄災の発生源を突き止めて!!」
 
 そう言い放つと私の右手が光った。それと同時に、右手からビームのようなものが無数に放たれる。
 
 そのビームのようなものは、枝分かれして四方八方に飛んでいった。そして壁を通り抜けどこかに消える。
 
「えっと、これでいいのかな?」
 
 私は何も感じず不安になり辺りを見回した。
 
「どうしたんだ。まさか失敗したのか?」
 
「どうだろう。分からないけど、何も感じない。それに頭の中にも浮かばないし……」
 
「うむ、しかし能力は発動し放たれたのじゃ」
 
 そう言いメーメルは首を傾げる。
 
 グレイも難しい顔で悩んでるみたいだ。
 
「確かに、発動した。本当になんも感じないのか?」
 
「うん、感じな……って、ちょっとこれっ!」
 
 何か感じた。いきなりだ。
 
 
 そうか、このスキルは遠い所に対象物があると時間がかかるんだ……ね。
 
 
 そう思ってる間にも、次から次へと情報が頭に入ってくる。私は堪えられず頭を抱えた。
 
「ちょ、と……何これ……」
 
「ルイ!? 突き止めたのか」
 
「た、多分……だけど待って……ハァハァ……情報が頭に入ってくるんだけど……慣れないせいか、結構キツい」
 
 頭が痛くなり涙が出てくる。それに耐えられず頭を抱えうずくまった。
 
「待てルイ! 無理ならそれ以上……」
 
 そう言いグレイは、私を覗き込む。
 
「……やめろって、無理だよ。どんどん……情報が入ってくるし」
 
「解除はできないのか?」
 
「多分……だけど、待って……これ……」
 
 厄災の情報が頭の中に入ってきた。それと同時に、厄災の発生源の情報が脳裏に浮かんだ。
 
「何か分かったのか?」
 
「うん、でも……これってどこだろう?」
 
 情報を全て調べ終えると頭の痛みが治まる。私は目を閉じ情報を探った。
 
「この町じゃないのか?」
 
「違うみたい。ちょっと待って、地名が……どこかの町かな?」
 
「どこなのじゃ? その場所の様子とか分からぬのか」
 
 そう言われ私は更に調べる。
 
「地名は、アクロマスグ。発生源なんだろうけど、情報をみる限り何も起きてないみたい。どういう事だろう?」
 
「アクロマスグ……まさか、ティハイド様の領土か。でも……どういう事だ?」
 
「グレイ、知ってるの?」
 
 そう聞くとグレイは頷いた。
 
「ああ、国王カルゼア様の叔父にあたる方だ。でも発生源がアクロマスグなら、なぜタルキニアの町でデビルミストが現れた?」
 
「そうじゃな。ルイ、発生源なのに何も起きておらぬと言ったのう」
 
「そうみたい。でも間違いなく、発生源はそこだよ」
 
 それを聞いたグレイとメーメルは険しい顔をする。
 
「何も起きていない……妙だな」
 
「うむ、明らかにおかしいのじゃ」
 
「発生したのが、いつだか分かるか?」
 
 そう言われ私は頭にある情報を探り始めた。
 
「調べてみる。……これかな? 発生は、今から……エッ!? どういう事……なの」
 
「どうしたんだ? そんなに驚くほどのことなのか」
 
 そう言われ私は、ゆっくり頷く。
 
「そうなんだけど。結構前に発生してるみたい。今から、だいたい一年以上前に発生してる」
 
「ちょ、ちょっと待て!! そんなに前なら既に滅んでいるんじゃないのか」
 
「グレイの言う通り……変じゃ、どうなっておる」
 
 そう言うと二人は何か考え始める。
 
 私は何がなんだか分からず困惑していた。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

『勇者と聖女って、どんな人たちなのかな?』by泪
『聞いた話だと勇者の方が聖女の尻に敷かれてたらしいぞ』byグレイフェズ
『聖女の方が強かったんだね』by泪
『どうだろうな。勇者は聖女に何度も告白をしたらしい。根負けした……いや、既に心が勇者に向いていた聖女は承認した』byグレイフェズ
『良い話だね』by泪
『そうだな』byグレイフェズ
『待つのじゃ。その話を聞く限り勇者の行動が、ストーカーにしかみえぬ』byメーメル
『『そ、そういえば!』』by泪、グレイフェズ

と、いう事で……次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
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