▼詳細検索を開く
その正体と真実……前編
グレイフェズは自分の素性について話し始める……。
 私はムドルさんと二人の話に耳を傾けた。そしてグレイが、話し出そうとしたその時。
 
「グレイ、待ってください。結界を張った方が良さそうです」
 
 そう言いながらムドルさんが辺りを警戒する。
 
「そうじゃな。これは……エルフの匂いのようじゃ」
 
「なるほど、俺たちのことが気になって監視してる……ってことか」
 
 それを聞き私は、キョロキョロする。
 
「ルイ、気づいた素振りはみせるな」
 
「うん、分かった」
 
 なんでそう言われたのか分からないけど、気づいていない振りをした。
 
 その後、ムドルさんが魔法を使い結界を張る。
 
「これでいいでしょう」
 
「ああ、ムドル……すまない」
 
「いいえ、問題ありません。それに、他の者に聞かれたくないことなのかと思いましたので」
 
 それを聞くとグレイは、コクリと頷いた。
 
「できれば、誰にも知られたくなかった。と、言ってもコルザ様は知ってるがな」
 
「そうなのですね。あのコルザがですか。どういう経緯かは分かりませんが、そのことも踏まえ教えて頂きますよ」
 
「そうだな。隠せそうにないし……話すしかないか」
 
 そう言いながらグレイは、私の方を向く。その表情はつらそうだ。
 
 私はそんなにつらいことならと『聞かなくてもいいかなぁ』とも思った。だけど、口に出せない。知りたいと思う気持ちもあったからだ。
 
 グレイは重い口を開いた。
 
「どこから話せばいい。そうだな……俺の、素性が先か」
 
 そう言い私とメーメルとムドルさんの順にみる。
 
「メーメルは、気づいてるよな」
 
「うむ。かつて勇者と言われた者の縁者……妾は、そう思ったのじゃが。違ったかのう?」
 
 それを聞きグレイは俯く。
 
「縁者、そうだな……その通りだ。俺の先祖がそうだったらしい」
 
 私は驚いた。そしてムドルさんも、ビックリしている。
 
「勇者とは、確か……」
 
「ああ、異世界から聖女とこの地に来た者だ。だが、正確には勇者と聖女のだがな」
 
「なるほどのう。あの言い伝えの二人は結ばれたのじゃな」
 
 そう言うとメーメルは、グレイに視線を向けた。
 
「ってことは、元の世界に帰れなかったの?」
 
「そうらしい。聞いた話じゃ、帰る方法を探したみたいだけどな」
 
 私はそれを聞き、急に不安が襲ってくる。
 
「さっきの能力は、先祖代々という事でしょうか?」
 
「いや、違う。二代目ぐらいまでは若干あったらしい。だが、その後から能力は消えたみたいだ」
 
「では、グレイのあの能力……どういう事ですか?」
 
「隔世遺伝じゃな」
 
 メーメルにそう問われグレイは頷く。
 
「という事は、グレイの代でその能力が再び覚醒した」
 
「そうだ。だが、なんで俺なのか……なんだよな」
 
 そう言いグレイは、どこか遠くをみていた。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

『グレイって勇者の末裔だったんだね(゜ロ゜;)……』…by泪
『ああ、だが……これ以上できれば話したくない( ・᷄д・᷅ )……』…byグレイフェズ
『なんで? 凄いと思うけど』…by泪
『嫌なものは嫌なんだ! ……ε”ε”ε”(ノஇωஇ )ノ(逃)』…byグレイフェズ
『『だから駄目だってば! ガシッ( ´꒳`)っ=͟͟͞͞( ゜д゜)……( ;□; )イヤダァァアアアアア!!!』』…by泪、グレイフェズ

と、いう事で……∩^ω^∩
では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
Twitter