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作者: タアアタ
残酷な描写あり
第68話 悪魔術
 悪魔の術は人が使う魔法とは異なる世界から力を借りたものであり、
その莫大な魔力量から、この世界の封さえ斬ってしまい、異世界と異世界すべてを、
ひとつの巨大な平面にしてしまおうという文明の平野を築くほどのものとされた。
ただ悪魔同士の取り決めや制約から、このチカラは奪われ、
それぞれが上級、下級と位の中で、悪魔の魔術書の中にあるルールに従って、
皆が暮らしていたのである。 これそ悪魔術の悪魔制約である。
ただし人間と契約を結ぶことで、現世と魔界を結び、より広大な大地平面を築けるので、悪魔が人間との契約を結べば、その魔力は一時的に解放され、悪魔の世界を拡張できるというルールもあるため、おおくの悪魔はこれを利用していた。
「悪魔の力を見せつけてやるためには奴らの魔術より、
 我らの魔術が優れているのだと教えてやることにある」
「ここにユジリアより捕えた魔法使いどもが幾百人とおる、
 やつらに悪魔術がなんたるかを解くとみせてやることにしよう」
「やっやめろ」
「まずは悪魔変化の術!!!」
そういうと悪魔は自らの身体から、手足を新たに伸ばして、異形のものへと姿を変えた。「これが、悪魔か! おぞましい」
「悪魔は変化することによって、本来封じられた魔力を取り戻し、異界での姿で闊歩する事を続ければ、より自由に異界と通じた魔法を唱えることが出来るのだがむん」
と力を込めると、体中から暗黒の瘴気をまき散らし、元の姿へ戻った。
「いまは未だ、魔界とのつながりが充分ではないよって元の力が保てるのもひと時の間だけのようだなふむ」
「次は魔力吸収の術!!!」
「やめろぉうっぐあ」
「我は魔族のうちでも相手の魔力を吸って生きる特殊能力をもつものなり、その術によって、他者の魔力を吸収することで自らの力をより大きく出来る、むん」
炎を身にまとうと空を滑空し、そのチカラが確かであることを示す魔族。
「まあ、こんなものか、人の魔力というものも、同時にその魔法というものも、吸収させてもらった故にな、なかなかに使えそうだな人間の魔法というものも」
「次は悪魔合体の術!!!」
「な、なんということだ!!」
「異なる悪魔と悪魔が変化し溶解してくっつきあうことでそのチカラを示すのだ、
 魔族と一体となる変化によって力は何倍にも膨れ上がり、魔族本来の力をこの地上で出すことが余裕に出来るという代物よ、はっ」
「このとおり分解も一瞬でかのうならば、いざという時の戦いに向いている」
「・・・・・・もう十分だ、貴様らのチカラは分かった」
「ならば解放してやろう、そなたらのチカラが無いことも知れたからな」
そういうと魔法使い百人は解き放たれ、ユジリアへと帰っていった。
「ただで返してよろしいのですか?」
「かまわん、我らの城、我らの恐るべきをとくと見知ったものに、ひとつでも多く、我らの情報をつかませてやるのだからな、今頃恐怖におののいていることだろう」

ユジリアでは、先に帰った男が持ち帰ったヘビュート王族18の首が波紋を呼んでいた、男はそのクエストを無事に終えた後、廃されたようになって、影に消えていったが、同時にこのようにつぶやいた「悪人が、一等文士が、悪魔王とともに」と、
その一言は悪竜使いの企てを、いち早く、ユジリア王に伝えるものとなって、今や、問題は大きなものへとなっていた「これはユジリア同盟全体を揺るがすものですぞ」
「今一度、軍備を整えよ、敵は悪魔王国ヘビュート、我々は、悪魔王セイカリテルとの一戦に備えて、その同盟を強固なものとする必要がある」「王よ」「トマフどのか!」「この戦い、私めも参加させていただきたく」「よかろうクシ王国きっての騎士ならば」「わたし竜騎士シンボリックめも参加させていただきたく!!」「よいだろう、だがこれは命がいくつあっても足りぬかもしれぬ戦い、そのこと確かに知っての事だろうとはおもうが」「はっ!」「はっ!」
 いまや、一触即発の状態にまであるが、街や山河には戦いの前の静けさもあり、全土から集った勇士たちの中には、「アヤトどのたちは?」「いち早く北の国に向われたそうで」「伝令!」「何事だ!」
「たったいま敵国に捕えられた魔法使いが百名、ユジリアに戻りました」
「なんと!?」
徐々に明らかとなる悪魔王国ヘビュートの姿形は、人類に確実につたわり、その全てが、明らかとなる時は近い。
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