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作者: タアアタ
残酷な描写あり
第44話 人間
一人一人が集まって文明が構築されている。
一人でも欠けると途端に不便になる、
常に人が集まらなければ文明は持続されない、
ゆえに人を集めることが仕事の大半なのである。
 魔法で人を集める事はさほど難しくは無かった、
ひとより珍しいことをしていれば自然と、
誰彼かまわず興味を持つものであり、
その興味の度合がどれだけ違うかで、
全体の成功か失敗かが決まるようである。
「さーてと魔法魔法っと」
緑の魔法はどんな魔法?枯れ枝が芽吹いて草葉が出る魔法、
やがて花が咲き実が実るよほうれっ!
「わーいブドウだ!」
ふたつめのブドウは瓶に入れ振り回せばあっという間に、
「葡萄酒か、へへ!」
緑の魔法は植物の魔法、植物を成長させたり実らせれば、
発酵させて、美味しくしたりも出来ますよ。
「詳しくは緑の魔法書を買って読んで!」
魔法市場、魔法書の売り買いが進んでいる場所で、
ユジリアでも一二を争う賑わいである。

「ふー魔法は疲れるね、本当に」
魔法をとなえるということはその分、魔力を使うということで、
ひとりひとり魔力の上限が決まっているらしく、
それを使い切っては魔法をとなえる事かなわないらしい。
「もっとたくさん魔法を唱えないとな」
魔法を唱えれば唱えるだけ客を呼び込めるとあっては、
誰彼かまわず、魔法を唱えずにはいられない、
毎日のように魔法を唱えずにはいられない。
魔法のコトバを何百度となえて偉そうにするもの。
完全に魔法で出来た魔法造りの都市、それが
超大国ユジリアの各地に広がっている支配地の現状である。
「もっと魔法をもっと魔法を」
「広めればもっと唱えられるようになる」
「もっと魔法をもっと魔法を」
「唱えればもっと広まるようになる」

この文明にも欠陥があるはず。
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