残酷な描写あり
第11話 読めないもの
トンベンマガスガトリクトの子種がどのように育つのか?
それを見てみよう、
まず、場所が必要であった、
川は適切な場所である。
竜の子はいずれ川をさかのぼり、
山を根城としてその洞窟を自らで貪り深く作りだす。
これをダンジョンだと呼ぶ人も要るが、
人の住まない場所から生まれ、
やがてその体躯を大きくするにつれて、
より効率よく宝石を鉱石を体を強くするために、
数多の武具と財宝を持つ名家や、
城を襲うようになる。
そこでトンベンマガスガトリクトを倒すことが出来れば、
鉱山から一方的に鉱物を得ることが出来るし、
かの悪竜が根城とした洞窟は、
人が鉱脈として充分利益を受けれるだけ価値がある。
いや、取らぬ狸の算段、
成長を続ける子種がどのような悪文を喰うのか、
まず10人の人が現れる小説を思い浮かべて欲しい、
10人は物語を紡ぐうえで何がしかの対立軸を持ち、
常に牽制し合いながらも、互いの中を深めていくが、
この時、10人分の感覚を一度に管理しなくてはならないのが、
文士の仕事となるわけであって、なるべくたけ、
一人一人に没入する時間を短くしなければ、
十人十色の話を連綿と続けなければならない、
故に10人を同時に処理するのは難しい。
次に100人であったらどうだろうか?
100人の感覚を使い分けることが出来る時点で、
人間として尊敬されるだろうし、100人すべてを
魅力的に描けるのであれば、それは巨大な物語を、
動かしていける才に恵まれてるということかもしれない、
ただ同じく100人に注力するのはより大変になる。
10人、100人、といったが、
この数は悪文の量を決めるものでもある。
より人が多ければ多いだけスケジュール管理が大変になり、
一人の人間に出会うためにも、道筋をたてなければ、
道理がとおらなくなる。
こういった道理を喰らって生きているのが悪竜かもしれない。
100人の兵を喰らい、1000人の住人を襲い、
1万の街を恐怖に陥れ、10万の都市を脅かす、
悪竜は桁違いに成長する性質を持つ、
はじまりは小石を飲むところから、
次は岩石を食むところに進み、
やがて数の話へと移っていき、
巨大な体躯で穴をあけて通るようになる。
一人の人間に出会うよりも、
1000人の人間に向かっていく方が手っ取りばやいとばかりに、
自らの力量に関わらず、成長、ただそれだけの本能で、
おおきさを求めた結果が悪竜であり、
末尾まで長く続くその尾が証拠ともなる。
かくてトンベンマガスガトリクト二世は誕生し、
次の街を、また次の街をと渇望のままに火の海に変える。
人の数こそが悪文の生みの親であると、
責任を求めるように一度ついた火は、
留まることなく進んでいく。
この様子を書き記すことの出来る文士は、
常に安全をはかって狡猾に文を進める。
倒した、という文面にたどり着くまで、
ただひたすらに悪竜のチカラを飾り立てるのだ。
それを見てみよう、
まず、場所が必要であった、
川は適切な場所である。
竜の子はいずれ川をさかのぼり、
山を根城としてその洞窟を自らで貪り深く作りだす。
これをダンジョンだと呼ぶ人も要るが、
人の住まない場所から生まれ、
やがてその体躯を大きくするにつれて、
より効率よく宝石を鉱石を体を強くするために、
数多の武具と財宝を持つ名家や、
城を襲うようになる。
そこでトンベンマガスガトリクトを倒すことが出来れば、
鉱山から一方的に鉱物を得ることが出来るし、
かの悪竜が根城とした洞窟は、
人が鉱脈として充分利益を受けれるだけ価値がある。
いや、取らぬ狸の算段、
成長を続ける子種がどのような悪文を喰うのか、
まず10人の人が現れる小説を思い浮かべて欲しい、
10人は物語を紡ぐうえで何がしかの対立軸を持ち、
常に牽制し合いながらも、互いの中を深めていくが、
この時、10人分の感覚を一度に管理しなくてはならないのが、
文士の仕事となるわけであって、なるべくたけ、
一人一人に没入する時間を短くしなければ、
十人十色の話を連綿と続けなければならない、
故に10人を同時に処理するのは難しい。
次に100人であったらどうだろうか?
100人の感覚を使い分けることが出来る時点で、
人間として尊敬されるだろうし、100人すべてを
魅力的に描けるのであれば、それは巨大な物語を、
動かしていける才に恵まれてるということかもしれない、
ただ同じく100人に注力するのはより大変になる。
10人、100人、といったが、
この数は悪文の量を決めるものでもある。
より人が多ければ多いだけスケジュール管理が大変になり、
一人の人間に出会うためにも、道筋をたてなければ、
道理がとおらなくなる。
こういった道理を喰らって生きているのが悪竜かもしれない。
100人の兵を喰らい、1000人の住人を襲い、
1万の街を恐怖に陥れ、10万の都市を脅かす、
悪竜は桁違いに成長する性質を持つ、
はじまりは小石を飲むところから、
次は岩石を食むところに進み、
やがて数の話へと移っていき、
巨大な体躯で穴をあけて通るようになる。
一人の人間に出会うよりも、
1000人の人間に向かっていく方が手っ取りばやいとばかりに、
自らの力量に関わらず、成長、ただそれだけの本能で、
おおきさを求めた結果が悪竜であり、
末尾まで長く続くその尾が証拠ともなる。
かくてトンベンマガスガトリクト二世は誕生し、
次の街を、また次の街をと渇望のままに火の海に変える。
人の数こそが悪文の生みの親であると、
責任を求めるように一度ついた火は、
留まることなく進んでいく。
この様子を書き記すことの出来る文士は、
常に安全をはかって狡猾に文を進める。
倒した、という文面にたどり着くまで、
ただひたすらに悪竜のチカラを飾り立てるのだ。