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残酷な描写あり
ダグル迷宮地下二階層……眷属の武器と魔道
エルとシルフィアは出口と思われる扉をみつけるが……。
 エルとシルフィアは、部屋の中を警戒しながら扉を探していた。
 
「どこにあるのかな?」
「そうだな……部屋が広いせいか、中々みつからない」
 
 そう言いエルは壁をみる。
 
「ねぇ、あそこだけ光ってるよ」
 
 シルフィアはそう言い光っている壁を指差した。
 
「出口の可能性はあるな」
「うん、そうだね」
 
 そう言うと二人は光っている壁へと歩み寄る。
 
「扉が、半開きになってる……どういう事だ」
「なんか変……開いてるのに出れないってことがあるの?」
 
 二人は不思議に思いながら振り返り部屋の奥をみた。
 
「嫌な予感がする」
「まさかとは思うけど、この扉の先って」
「ああ、恐らく冒険者たちの死んだ元凶が……」
 
 そうエルが言うとシルフィアは、ゾクッと身震いする。
 
「どうするの? もしそうなら、別の場所を探した方がいいと思うけど」
「確かにな……だが、他も同じだったらどうする?」
「それって、どういう事?」
 
 シルフィアはエルの言いたいことが分からず首を傾げた。
 
「俺たちの通ってきた通路……あそこには、魔物が二体いた」
「ってことは、他の扉の先にも居るかもしれない」
「そういう事だ。……って、ここは戦うが正解だろ!」
 
 そう言いエルは、ニヤリと笑みを浮かべる。
 
「エル、なんか喜んでない?」
「そうみえるのか……それなら、そうなんだろうな」
 
 そんなエルをみたシルフィアは呆れた顔になった。
 
「私は不安よ。この扉の先に、さっきみたいな怪物が居ると思うとね」
「そうか……もし、無理なら俺だけでやる」
「ううん、エルが行くなら私も……心配だから」
 
 そう言いシルフィアは心配な表情でエルをみる。
 
「無理をするな。俺は一人でも問題ない」
「大丈夫よ。無理なんかしてないから」
「そうか? 顔が引きつってるぞ」
 
 エルは意地悪気味にそう言った。
 
「ムッ、そんな訳ないでしょ!」
「どうだろうな……まぁそういう事にしておくか」
 
 そう言いエルは、ニヤッと笑みを浮かべる。
 
「んーなんかいいように遊ばれた感が半端ないんだけど……まあいいか」
「ククク……そうそう。じゃあ、行くか」
 
 そうエルに言われシルフィアは呆れ顔で頷いた。
 
(それにしても、能力を使っていない時のエルと差があり過ぎない? こっちが本当のエルなのかな……。
 でも、そもそも私は会って間もないし……エルのことをよく知らない。昔のエルのことは特にね)
 
 そう思いながらシルフィアはエルの後ろ姿をみている。
 エルは扉に左手で触れようとした。その時、パッといきなり魔導書がエルの左手と扉の間に現れる。
 
 ”待て!? この扉の先には、いかない方がいい”
(どういう事だ? グリモエステルス、何か察知したのか)
 ”ああ、それにこの扉の奥は行き止まりだよ”
 
 そう言われエルとシルフィアは不思議に思った。
 
(行き止まり……それで、危険な場所って……)
 ”んーそうだな……教えてもいいが、やっぱり君たちで調べろ。それと、シルフィアに魔道具と武器を渡しておく”
 
 そうグリモエステルスは言い魔導書が大きくなり発光する。それと同時に、エルとシルフィアの両眼が赤紫に光り出した。
 すると、エルとシルフィアの脳裏に詠唱の言葉が浮かんでくる。二人の意思とは関係なく、口が勝手に動いた。
 
 《 《古より封印されし闇なる魔 その力と知恵 我の眷属〈我〉が欲す それらを解き放ち その一部の武器と魔道具を具現化せよ グリモエステルス!!》 》 
 
 二人はそう詠唱すると魔導書から光が放たれる。それと同時に、エルとシルフィアの眼前で魔法陣が展開された。すると二人の両眼が更に赤紫に発光する。
 その時、エルとシルフィアの両方の目に魔法陣が浮かび上がった。その二つの小さな魔法陣は回りながら展開される。その後エルとシルフィアは魔導書に左手を翳した。
 すると回転している魔法陣から魔導書の上に現れる。
 それは鉄製の爪が籠手に付いた武器、二個。それと綺麗な飾りが施された宝石箱のようにみえる、手に収まるぐらいの大きさの楕円形の魔道具だ。
 
 ”シルフィア、それらは君が持っていろ。これから、役に立つだろうからね”
(はい、分かりました)
 
 そう言いシルフィアは、鉄の爪が籠手に付いた武器を二個と宝石箱のような魔道具をとる。
 するとそれを確認したかのように、魔導書から光が消えて小さくなった。
 
「武器……私の?」
「ああ、シルフィアのだな。折角だから、付けてみたらどうだ」
 
 そう言われシルフィアは鉄の爪が付いた武器を両手に装着する。
 
「そんなに重くないし、これ……」
 
 シルフィアは何かに気づき試してみた。
 
「どういう仕組みなのか分からないけど、私の意思で爪の出し入れができる」
「それなら、普段も付けとけるな」
「うん、いつでも攻撃できる。これなら、エルの足を引っ張らないで済むね」
 
 そう言いシルフィアは喜び手に装着した武器をみている。
 そしてその後、二人は魔道具をみて話していたのだった。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)
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