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残酷な描写あり
ダグル迷宮地下二階層……気づかれるともう一体
エルとシルフィアは後方から向かいくるものを警戒しながら前へと進むが……。
 エルはシルフィアの手を握り、周囲を警戒しながら暗がりを先へと進んでいく。
 
(もっと早く歩きたい。だけど……こうも暗いと、先に何があるか分からないからな)
 
 そう思いながら後ろを時折みる。
 
(……こっちに向かってくるのってなんだろう)
 
 シルフィアは、不安に思いエルの手を強く握った。そして足元に気をつけながら歩いている。
 
「エル……大丈夫かな」
 
 そう言いシルフィアは、チラッと後ろをみた。
 
「分からない。だけど今は、後ろからくるヤツにみつからないようにしないと」
「そうだね……でも、本当にこの先に抜け道があるのかな?」
「どうだろうな。でも……ここに居ても仕方ない」
 
 そう言いエルは、真剣な表情で向かう先を見据える。
 シルフィアはそれを聞き頷く。
 更に先へと二人は進んで行った。
 そんな中でもエルは、背後の気配を探っている。
 
(まだ俺たちのこと、気づいてないみたいだ。このまま逃げ切れれば……いいんだけどな)
 
 難しい顔でエルは思考を巡らせた。
 
「……ハッ!? シルフィア、気づかれた。急ぐぞ!」
「えっ!? ちょっ……」
 
 シルフィアの手をグイッと引っ張りエルは駆け出す。
 引っ張られてシルフィアは、足がもつれエルにほぼ引きずられてる状態だ。
 それに気づくもエルは、このままじゃ追いつかれると思い無我夢中である。
 
(急げ……)
 
 エルは必死だ。
 
「……!? ちょ……嘘だろっ!」
「エル、どうしたの?」
「前からも……一体くる……」
 
 そう言いエルは立ちどまり、鋭い眼光で前後を交互にみる。
 それを聞きシルフィアは、青ざめ不安な表情になった。
 
「ちょっと……ど、どうするの」
「クソッ、完全に逃げ道を塞がれた。このままじゃ……」
「戦うしかないわよね」
 
 そうシルフィアが言うとエルは頷く。
 
「腹をくくるしかないな」
 
 そう言いエルは覚悟する。その後、前後をみたあと大剣を持ち身構えた。
 シルフィアも前と後ろをみると体勢を整える。
 それを待っていたかのようにエルたちの背後から、ドスンドスンと大きな足音が聞こえてきた。
 前方からは、ドドドドドッと小刻みに大きな足音が聞こえてくる。
 
「明らかに、前と後ろからくるヤツって……違う種類だな」
「そうね。どっちかといえば、前方の方が素早そうだけど」
「ああ、恐らく前方からくるヤツの方が強い」
 
 そう言いエルは前方を目を凝らしみた。
 
「そっかぁ。じゃあ、どうする?」
「そうだな……俺は、前からくるヤツにする。シルフィアは、後方のヤツを頼む。こっちが片付いたら加勢に向かう」
「……それは、私も同じよ」
 
 そう言いシルフィアは、エルを心配そうにみる。
 
「そうだな……お互い勝てるかも分からない。だが、死ぬわけには……」
 
 それを聞きシルフィアは頷いた。
 
「じゃあ、私は後方に向かうわね」
「ああ、無理するなよ」
「ありがとう……エルも、ね」
 
 そう言いシルフィアは、後方からくるものの方へと向かい歩き出す。
 そしてエルはそれを確認すると、前方へ向かい歩みを進めたのだった。
読んで頂きありがとうございますヽ(^o^)

では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)
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